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[海外ニュース]2015.12.31

’15 世界のBoxing回顧3

 史上空前のメガファイトが実現するなど話題の多かった2015年だが、一方で報酬の格差が広がりつつある傾向もみてとれる。また、 世界戦で計量失敗が相次ぐなど課題も少なからず残った。
ジェームス・ディゲール
 国別に見た場合、もっとも活発な動きをみせたのは英国だったといっていいだろう。ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)を攻略したヘビー級のタイソン・フューリー、08年北京五輪金メダリストからプロの世界一になったスーパーミドル級のジェームス・デゲール、強盗に大ケガを負わされながら戦線復帰を果たし、世界王座も手に入れたアンソニー・クロラ(ライト級)、「スミス4兄弟」の3番目リアム・スミスのスーパーウェルター級での戴冠など話題にはこと欠かなかった。12月にはビリー・ジョー・サンダースがアンディ・リー(英/アイルランド)に判定勝ちを収めて締めくくり、12人の世界王者を抱えて年を越すことになった。
 日本も世界的なマーケットとして比較的充実していたといえよう。特に軽量級は12月30日時点でミニマム級で高山勝成(仲里)と田中恒成(畑中)の2人、ライトフライ級は田口良一(ワタナベ)、木村悠(帝拳)、八重樫東(大橋)の3人、スーパーフライ級も河野公平(ワタナベ)と井上尚弥(大橋)にカルロス・クアドラス(メキシコ/帝拳)を加えて3人の世界王者を擁している。軽量級の中心国といってもいいだろう。
アルツール・アブラハム
 2年前、一時的に世界王者不在の時代を迎えたプエルトリコも巻き返してきた。核となるミゲール・コットはミドル級王座を失ったが、IBFスーパーフェザー級王者のホセ・ペドラサ、同じスーパーフェザー級のWBO王者ローマン・マルチネス、そしてスーパーフライ級のIBF王者マクジョー・アローヨと3人の世界王者を抱えて年を越す。
 対照的に90年代以降、ヨーロッパの中心的存在になっていたドイツが寂しい状況になってきた。数年前にウニベルスムが撤退したことが大きく影響しているのは確かだが、次世代が育っていないのも事実だ。20歳のWBAスーパーミドル級暫定王者ビンセント・フェイゲンブッツに期待したいところだが、本当のスター選手に成長するには時間がかかりそうだ。アルメニア出身のWBOスーパーミドル級王者アルツール・アブラハムや元ミドル級王者フェリックス・シュトルムらベテラン勢が踏ん張ってはいるが、長いスパンで計算できるとは思えない。ドイツを主戦場にしてきたクリチコがフューリーに敗れたのも痛いところだ。今後の巻き返しに期待したいところだ。
ミッキー・ベイ
 フロイド・メイウェザー(米)が2億5000万ドル(約300億円)、マニー・パッキャオ(比)が1億2000万ドル(約144億円)を1試合で手にした一方、低報酬に泣いた世界王者もいる。IBFライト級王者だったミッキー・ベイ(米)は、デニス・シャフィコフ(露)との指名防衛戦を前に20万ドル(約2400万円)の提示に不満を唱え、興行権入札を要求。しかし、自陣は入札に参加せず、相手側が低額で落札。ベイの取り分は20万ドルの3分の1以下に減少した。こうしたなかベイはIBF王座を返上してしまった。同様のことはIBFスーパーフライ級王者のゾラニ・テテ(南ア)にも起こった。やはり指名防衛戦の興行権入札でテテの取り分は200万円以下という、世界王者の報酬としては異常なほどの低額だった。ベイ同様、テテもベルトを放棄してしまった。選手の人気、集客(集金)能力と報酬の多寡というテーマは、プロボクシングがスポーツ・エンタテインメントとして成立している限り切り離せない問題といえる。
ダニー・ガルシア
 今年3月、業界に絶大な影響力を持つアル・ヘイモン氏が各テレビ局と提携して始めたPBC(プレミアム・ボクシング・チャンピオンズ)も画期的なものだった。ヘイモン氏はケーブルテレビだけでなく地上波のNBCやCBSとも組んでボクシング番組を提供、ファンと視聴者拡大に務めた。そのためトップ選手の囲い込みも顕著で、メイウェザーをはじめヘビー級のデオンタイ・ワイルダー(米)、ウェルター級のキース・サーマン(米)やダニー・ガルシア(米)、ミドル級のダニエル・ジェイコブス(米)、スーパーライト級のエイドリアン・ブローナー(米)らを傘下に収めている。
 弊害も少なくない。トップランク(TR)社やゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)の契約選手との交流(対戦)が難しくなったのだ。TR社とGBPはヘイモン氏を訴える騒動になっており、雪解けの気配はみられない。思わぬ収穫があったとすれば、犬猿の仲だったTR社とGBPが共通の敵と共通の利益のために再び手を組んだことだろうか。リング外の争いは複雑で根が深いが、意外な解決もあるので注目していきたい。
フランシスコ・ロドリゲス
 計量で失格になるトップ選手は、残念ながら今年も多かった。世界戦だけでも15年でピーター・クィリン(米)、レイムンド・ベルトラン(メキシコ)、ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)、ランディ・カバジェロ(米)、ペ・ヨンキル(韓国)、フランシスコ・ロドリゲス(メキシコ)、エルナン・マルケス(メキシコ)と7人が失格した。11月〜12月に関しては1ヵ月間に4件発生という異常事態である。約3キロ超過のカバジェロは試合もキャンセルすることになった。それでいて来年2月には次戦を予定しているという。世界戦以外でもハンク・ランディ(米)、フランキー・ゴメス(米)、ポール・スミス(英)、フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)らが注目ファイトを前に契約体重を守ることができなかった。プロ失格の烙印を押されても仕方あるまい。ボクシングという格闘競技、世界王座という権威を守るためには、罰金だけでなく半年〜1年の出場停止という厳罰が必要なのではないだろうか。<原>

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