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[非公開スパー]2015.7.12

仮想プンルアンは望月直樹

 8月7日にタイの首都バンコクでWBO世界バンタム級王者決定戦のリングに上がる赤穂亮(横浜光)が11日、対戦相手プンルアン・ソーシンユー(タイ)の対策スパーリングを非公開で行った。仮想プンルアンに抜擢されたのは、フライ級を主戦場とする21歳の有望株、望月直樹(※通算成績:8戦7勝(5KO)1敗)。身長163cmの右ボクサー。
望月直樹(横浜光)
 プンルアンの試合ビデオを入念にチェックしたという赤穂陣営は、背格好が同じフライ級の望月を仮想プンルアンに仕立てて対策を練っている。「少しゆっくり動くようにしています」と話す望月に「タイ人選手がよく履いている黄色いトランクスを…」と悪ノリする赤穂。リラックスしたムードの中、横浜光ジムの選手や関係者は、一岩となって大きな偉業の達成をサポートしている。
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源大輝(ワタナベ)
 今回のチーム赤穂にはワタナベジムの源大輝も志願してスパーリングパートナーとして参加している。この日、最初のパートナーとして6ラウンドのスパーを終えると、大粒の汗を拭きながら「スピード、当て勘、パワー、全部ヤバイ!プレッシャーもスゴイ。こっちのいいところを活かさせてくれないんですよ。今日は特によかったですね。それにしても、今日はやられたなあ〜」と調子をさらにひとつ上げてきた赤穂に、ひとつ上のスーパーバンタム級で日本ランキング6位に入っている24歳の若武者も舌を巻く。
※源大樹の通算成績:14戦10勝(9KO)4敗(2KO)
 続いて4ラウンドの予定で始まった対策スパーでは、望月が赤穂のアゴを突き上げながら押したかと思うと、故意にローブローを打ってラフプレーを仕掛けたり、強引なクリンチから体の入れ替えを繰り返して連打をラッシュするなど、本番さながらの想定ファイトに思わず笑みがこぼれる場面もあった。最終ラウンドには、想定していたローブローではないローブローが入って、一旦中断。追加された1ラウンド40秒の11ラウンド目を消化して、この日のスパーを終えた。
リラックスムードの横浜光
 8月には世界戦だけでなく仲村正男(渥美)との激突を控えている金子大樹も調整中の横浜光ジムだが、緊迫感はなくリラックスしたプロ集団と表現するのがシックリくる。「作ったギラギラ感はなくて、今の赤穂は精神的に充実しているのがわかる」と石井一太郎会長も赤穂が放つ自然なオーラを感じとっている。貫禄にも似た雰囲気を来週月曜日の公開スパーリングで隠すことは出来ないだろう。
ロープ際のクリンチに注意
 スパーリング前に話しを聞く機会を得たが、三月にフィリピンでWBOインターナショナルのタイトルを戴冠した時よりも全体的にふた回りほど大きく見えた。特徴的なのは腕周りだが、今の赤穂は安定感が増して見える。実際はリミットまで6キロと普段通りのペースだが、即席ではなく昨年9月から北原将夫トレーナーの指導のもとで取り組んできたフィジカル強化(※詳しくはピックアップインタビューをご参照下さい)がここにきて功を成してきた様子。サプリメントやプロテインなども効率的に取り入れているという。
調整もメンタルも順調
 気を抜くことなく、準備に余念がない今の赤穂には、無駄な気負いも必要ない。「気をつけるところは不用意なパンチを受けた後の連打」と分析する赤穂は「離れるのかくっつくのかを決めて、中途半端な距離に入らないように気をつける」。
 対戦相手のホームが決戦の地。バンコクにも視察に行ってきたという赤穂は「ジムがちゃんとサポートしてくれているので、感謝しています。普通はこんなにもは、してもらえないですからね」。初戴冠まで、あと26日。

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