アルバレスvsモズリー

○サウル・アルバレス(メキシコ)
　12回判定(3-0)
●シェーン・モズリー(米)

　21歳の無敗王者アルバレスに対し、3階級制覇の実績を持つ40歳のモズリー。スタートはモズリーがスピードに乗った左ジャブを突いて好調ぶりを示した。ラウンド半ばになるとアルバレスもワンツーで押し返し、すぐに戦況を五分に戻す。このラウンドはジャッジ二者がモズリー、ひとりがアルバレスと割れた。
　好勝負が期待されたが、2回からはアルバレスがベテランを圧倒した。21歳の王者は守るときはガードを固めて好打を許さず、攻撃の時はスピードのある右ストレートを軸にしてモズリーを追い立てた。3回に左目上をカットしたアルバレスだが動揺することはなく、機を見てボディも攻め上げるなど重厚な攻撃は容赦ない。
　中盤になるとモズリーは足が止まりかけ厳しい状況が続いたが踏ん張り、試合は終盤に。ここでもアルバレスのパワーが上回ったが、モズリーも最後まで勝負を諦めずに食い下がった。
　判定を聞くまでもなくアルバレスの勝利は明白だったが、不惑の元王者モズリーの奮闘も光った。採点は119対109が二者、118対110が一者と大差がついていた。
　4度目の防衛に成功したアルバレスは41戦40勝(29KO)1分。KOこそ逃したが「実績のある強い相手(モズリー)に勝てたので、貴重な経験になった」と殊勝に話していた。
　奮闘したものの敗れたモズリーは、最近の5年間で7戦2勝(2KO)4敗1分。3年以上も勝利から見放されている。「こんな状態じゃプロモーションに専念した方がいいのかな」と、本音とも冗談ともつかないコメントを残した。56戦46勝(39KO)8敗1分1無効試合。
　ちなみに報酬はアルバレスが120万ドル(約9840万円)、モズリーが65万ドル(約5330万円)と発表されている。