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ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が君臨するWBA世界ライトフライ級王座。ここに新たに暫定王座が設けられたのは昨秋11月のこと。その防衛戦が3月31日(日本時間4月1日)、南米ペルーの首都リマで行われる。暫定王者ホセ・アルフレド・ロドリゲス(メキシコ)が13位のアルベルト・ローセル(ペルー)を相手に初防衛戦に臨むのだ。
なんとも不可解な暫定王座決定戦だった。折りも折りゴンサレスは10月に2回KOの圧勝でベルトを守ったばかりだった。その前には3月、7月という比較的短い期間で防衛戦を消化してもいた。暫定王座を置く論理的な理由はまったく見当たらなかったはずだ。
暫定王座についたロドリゲスは28戦全勝(17KO)の22歳。メキシコの軽量級スター候補といっていいだろう。そのための暫定王座だったといわれても仕方あるまい。このクラスに限ったことではないが、この10年ほど、WBAの迷走は目に余るものがある。
90年代後半から2000年代初頭にかけて、WBAは頻発する暫定王者の立場に関して「指名挑戦者と同等の位置づけ」としてきた。王者という名称はつくものの実際の立場は最上位ランカーという説明だった。現に暫定王者を1位にレートしていた時期があった。この点で同じ暫定王者ではあってもWBCのそれとはまったく別の立場がとられていたはずだった。
ところが暫定王者にはベルトも贈呈され、防衛戦も認可されるに至り、いつの間にか事実上の王者として認知度が高まっていったという経緯がある。
こうした流れに乗って意味も価値もないに等しい暫定王座を乱発、WBAが自ら存続の危機を招いていたのは周知の事実だ。
さすがに危機感を抱いたのか今年1月、WBAは「暫定王者は1位にランクする」という方針を打ち出した。以前の位置づけに戻すとしたのだ。1月には正王者リコ・ラモス(米)対暫定王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ/米)のスーパーバンタム級王座統一戦が挙行されるなど、前進の気配が見えたものだ。
その一方で先週のスーパーミドル級(ブライアン・マギー対ルディ・マークセン)や今回のロドリゲスのように、防衛戦を希望する暫定王者には許可を下すなど、組織内で統一見解に欠ける傾向が見られるのも事実だ。これでは1月に打ち出した方針も混乱を招いただけと言われても仕方あるまい。
遅まきながら関係者も都合よく統括団体を利用するエゴを捨てる必要に迫られているといえる。そういった意味では1年前のJBCの決断はひとつのサンプルになるのではないだろうか。
極めて近い将来、ボクシングそのものがファンから見捨てられてしまうのではないかと心配だ。
暫定王座についたロドリゲスは28戦全勝(17KO)の22歳。メキシコの軽量級スター候補といっていいだろう。そのための暫定王座だったといわれても仕方あるまい。このクラスに限ったことではないが、この10年ほど、WBAの迷走は目に余るものがある。
90年代後半から2000年代初頭にかけて、WBAは頻発する暫定王者の立場に関して「指名挑戦者と同等の位置づけ」としてきた。王者という名称はつくものの実際の立場は最上位ランカーという説明だった。現に暫定王者を1位にレートしていた時期があった。この点で同じ暫定王者ではあってもWBCのそれとはまったく別の立場がとられていたはずだった。
ところが暫定王者にはベルトも贈呈され、防衛戦も認可されるに至り、いつの間にか事実上の王者として認知度が高まっていったという経緯がある。
こうした流れに乗って意味も価値もないに等しい暫定王座を乱発、WBAが自ら存続の危機を招いていたのは周知の事実だ。
さすがに危機感を抱いたのか今年1月、WBAは「暫定王者は1位にランクする」という方針を打ち出した。以前の位置づけに戻すとしたのだ。1月には正王者リコ・ラモス(米)対暫定王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ/米)のスーパーバンタム級王座統一戦が挙行されるなど、前進の気配が見えたものだ。
その一方で先週のスーパーミドル級(ブライアン・マギー対ルディ・マークセン)や今回のロドリゲスのように、防衛戦を希望する暫定王者には許可を下すなど、組織内で統一見解に欠ける傾向が見られるのも事実だ。これでは1月に打ち出した方針も混乱を招いただけと言われても仕方あるまい。
遅まきながら関係者も都合よく統括団体を利用するエゴを捨てる必要に迫られているといえる。そういった意味では1年前のJBCの決断はひとつのサンプルになるのではないだろうか。
極めて近い将来、ボクシングそのものがファンから見捨てられてしまうのではないかと心配だ。