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WBC世界ヘビー級タイトルマッチ、王者ビタリ・クリチコ(ウクライナ)対挑戦者同級15位ディレック・チゾラ(ジンバブエ/英)の12回戦は18日(日本時間19日)、ドイツのミュンヘンで行われた。前日の計量でクリチコに平手打ちを食らわせたチゾラは、試合前のリング上では弟ウラジミールの顔に水を吹きかけるなど、この日も王者陣営を挑発した。
※ビタリ・クリチコ対ディレック・チゾラは本日19日、午後9時からWOWOWで再放送
※ビタリ・クリチコ対ディレック・チゾラは本日19日、午後9時からWOWOWで再放送
○ビタリ・クリチコ(ウクライナ)
(12回判定 3-0)
●ディレック・チゾラ(ジンバブエ/英)
かつて2度にわたって試合が流れたウラジミールとリング上で顔を合わせたチゾラは、その顔めがけてうがい水を吹きかけた。前日のビタリへの平手打ちといい、クリチコ兄弟に対する個人的嫌悪は相当のものがあるのだろう。
前座でジョナサン・バンクス(米)がニコライ・フィルサ(米)を盛り上がりのない凡戦のすえ12回判定で下してNABF北米ヘビー級王座を防衛。その約30分後、満員の1万2500人の観客を飲み込んだ会場で試合は始まった。
先に仕掛けたのはチゾラだった。クリチコよりも15センチ低い187センチの体を沈めながら左右に忙しく振り、40歳のV7王者に肉薄したのだ。対するクリチコは左右のグローブを低く置いた構えから相手の入り際に右ストレートを狙う。この日のクリチコはスピードで劣る点を意識してか左リードを抑え、右に頼ったボクシングが目立った。
前に出て左フックを中心にした真っ向勝負を挑むチゾラ。打ち下ろしの右を打ち込むクリチコ。序盤からヘビー級らしいスリリングな展開が続いたが、4回終了時の公開採点は40対36が二者、39対37が一者でいずれもクリチコ優勢。前進と攻勢が目立つチゾラだがクリーンヒットは少なく、後退しながら繰り出すクリチコの正確な右が光った。
挑戦者は5回からさらに前進を強めたが、なかなか思ったようなパンチを当てられず、ポイントはクリーンヒットで勝るクリチコが押さえていった。8回終了時の採点は79対73が二者、79対74が一者、いずれも王者優勢だった。
9回はクリチコのベストラウンドといってもいいだろう。狙いすました右を再三ヒットしてチゾラを脅かし、ダウンからKOへの期待を持たせたのだ。しかし、チゾラは勝負を諦めず、しぶとく食い下がった。最終回もチゾラは攻撃姿勢をみせたが、波瀾を起こすことはできなかった。
採点は118対110が二者、119対111が一者の大差3―0。挑戦者の善戦が目立った試合だが、それでもクリチコの牙城は揺るがなかった。8度目の防衛に成功したクリチコは46戦44勝(40KO)2敗。「(平手打ちのことは)試合中は集中していたので考えなかった。チゾラが前に出てきたので、こちらの組み立てが悪くなり難しい試合になった」と試合を振り返った。試合後も兄弟に食ってかかっていたチゾラは18戦15勝(9KO)3敗。
(12回判定 3-0)
●ディレック・チゾラ(ジンバブエ/英)
かつて2度にわたって試合が流れたウラジミールとリング上で顔を合わせたチゾラは、その顔めがけてうがい水を吹きかけた。前日のビタリへの平手打ちといい、クリチコ兄弟に対する個人的嫌悪は相当のものがあるのだろう。
前座でジョナサン・バンクス(米)がニコライ・フィルサ(米)を盛り上がりのない凡戦のすえ12回判定で下してNABF北米ヘビー級王座を防衛。その約30分後、満員の1万2500人の観客を飲み込んだ会場で試合は始まった。
先に仕掛けたのはチゾラだった。クリチコよりも15センチ低い187センチの体を沈めながら左右に忙しく振り、40歳のV7王者に肉薄したのだ。対するクリチコは左右のグローブを低く置いた構えから相手の入り際に右ストレートを狙う。この日のクリチコはスピードで劣る点を意識してか左リードを抑え、右に頼ったボクシングが目立った。
前に出て左フックを中心にした真っ向勝負を挑むチゾラ。打ち下ろしの右を打ち込むクリチコ。序盤からヘビー級らしいスリリングな展開が続いたが、4回終了時の公開採点は40対36が二者、39対37が一者でいずれもクリチコ優勢。前進と攻勢が目立つチゾラだがクリーンヒットは少なく、後退しながら繰り出すクリチコの正確な右が光った。
挑戦者は5回からさらに前進を強めたが、なかなか思ったようなパンチを当てられず、ポイントはクリーンヒットで勝るクリチコが押さえていった。8回終了時の採点は79対73が二者、79対74が一者、いずれも王者優勢だった。
9回はクリチコのベストラウンドといってもいいだろう。狙いすました右を再三ヒットしてチゾラを脅かし、ダウンからKOへの期待を持たせたのだ。しかし、チゾラは勝負を諦めず、しぶとく食い下がった。最終回もチゾラは攻撃姿勢をみせたが、波瀾を起こすことはできなかった。
採点は118対110が二者、119対111が一者の大差3―0。挑戦者の善戦が目立った試合だが、それでもクリチコの牙城は揺るがなかった。8度目の防衛に成功したクリチコは46戦44勝(40KO)2敗。「(平手打ちのことは)試合中は集中していたので考えなかった。チゾラが前に出てきたので、こちらの組み立てが悪くなり難しい試合になった」と試合を振り返った。試合後も兄弟に食ってかかっていたチゾラは18戦15勝(9KO)3敗。