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WBC(世界ボクシング評議会)は6日付で最新ランキングを発表したが、ヘビー級で前回まで1位だったアレクサンデル・ポベトキン(37=露)と12位だったアンドレイ・ワウルジク(29=ポーランド)がともに除外された。ふたりともドーピング検査で禁止薬物の成分が検出されたため。こうしたなか前WBA(世界ボクシング協会)暫定王者ルイス・オルティス(37=キューバ/米)が3位から2位に浮上した。
ポベトキンは昨年12月にバーメイン・スティバーン(ハイチ/米)とWBCの暫定王座決定戦を行う予定だったが、直前になってドーピング違反が発覚。WBCが決定戦として認定しないことが確定したことを受けスティバーンが対戦を取りやめたため、ポベトキンは急遽、ヨアン・デュアーパ(仏)と対戦して6回KO勝ちを収めた。2月に入ってポベトキンの採尿Bサンプルも禁止物質のオスタリンに陽性反応を示したことが確認された。これを受けクリーン・ボクシング・プログラム(CBP)を謳うWBCはポベトキンをランキングから除外した。また、12位にランクされていたワウルジクは今月25日にデオンタイ・ワイルダー(米)の持つWBC世界ヘビー級王座に挑戦する予定だったが、先月の抜き打ち検査で筋肉増強効果のあるスタノゾロールの成分が検出された。そのためWBCはワウルジクの挑戦を認めず、ワイルダーは相手をジェラルド・ワシントン(米)に変更してV5戦を行うことになった経緯がある。
こうしたなか3位から2位に上昇したオルティスが、1位のスティバーンとの挑戦者決定戦に乗り出す可能性も出てきた。すでにオルティスはWBA(世界ボクシング協会)から4月29日に行われるIBF(国際ボクシング連盟)王者アンソニー・ジョシュア(英)対ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)の勝者(WBAスーパー王者)への挑戦権を与えられているが、一方でIBFがジョシュア対クリチコの勝者に対しクブラト・プーレフ(ブルガリア)を指名挑戦者としていることもあり、まだオルティスは世界戦の確証が得られない状態となっている。そのためスティバーンとWBCの挑戦者決定戦を行い、ワイルダーへの挑戦を確実なものにする道が出てきたというわけだ。「いつ、どこででも、誰とでも戦う」と公言しているオルティスは、はたしてどんな選択をするのか。