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19日(日本時間20日)、米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナではWBA、IBF、WBO3団体統一世界ライトヘビー級タイトルマッチをメインとするイベントが挙行された。前座では世界ランカー対決や五輪連覇の女子ボクサー、クラレッサ・シールズ(21=米)のプロデビュー戦などが行われた。
セミではNABO北米スーパーライト級タイトルマッチ、王者モーリス・フッカー(米)対ダルレイ・ペレス(コロンビア)が行われ、10回引き分けに終わった。身長180センチ、リーチ194センチのフッカーは長い左ジャブを突いて距離をとる。身長170センチ、リーチ178センチのペレスは飛び込もうとするが、大きく振ったパンチは届かない。ペレスが前に出てフッカーが足と左をつかいながらアウトボクシングに徹するという展開は2回以降も続いたが、ペレスが単発で右を当てるシーンもあった。やや噛み合わせの甘い展開のまま試合は終盤に突入。8回、フッカーが左ジャブを中心に手数を増やして出たが、会場を湧かせるまでには至らなかった。採点は97対93で見解が分かれ、もうひとりは95対95のイーブンだった。IBF6位、WBO6位にランクされるフッカーは24戦21勝(16KO)3分、元WBA世界ライト級王者のペレスは36戦33勝(21KO)2敗2分。
また、同じく前座ではオレクサンデル・グウォジク(ウクライナ/アメリカ)対アイザック・チレンバ(マラウィ/南ア)のNABF北米ライトヘビー級タイトルマッチも行われ、グウォジクが8回終了TKO勝ちで2度目の防衛を果たした。WBC4位、IBF10位、WBO8位にランクされるロンドン五輪銅メダリストのグウォジクは、足をつかいながら仕掛けて主導権を握る。2連敗中のチレンバはカウンター・アタックを狙うが、後手にまわった印象は拭えなかった。4回、グウォジクが細かいワンツーをまとめてヒット、5回と6回にも右を好打したが、ダウンに結びつけることはできなかった。プロ転向後、6回までしか戦ったことのなかったグウォジクだが、終盤に入ってもペースを落とすことはなかった。8回が終わった時点で拳を痛めたチレンバが棄権、グウォジクの勝利が決定した。グウォジクは12戦全勝(10KO)、チレンバは31戦24勝(10KO)5敗2分。
この日のペイ・パー・ビュー(PPV=有料放送)の最初の試合、カーティス・スティーブンス(米)対ジェームス・デラ・ローサ(メキシコ/米)のWBC米大陸ミドル級タイトルマッチは、スティーブンスが3対0の10回判定勝ちを収めて初防衛に成功した。スタートから圧力をかけて出たスティーブンスは初回終盤に得意の左フックで先制のダウンを奪う。左目上が切れたデラ・ローサはハンデが増えたが、構えを左右に変えながら応戦した。中盤になると比較的静かな展開になり、中距離で戦うデラ・ローサが息を吹き返した。7回からスティーブンスが再び攻勢に出たが、その矢先にローブローで減点を科されるなど勝負の行方は混沌とした。採点は96対92(二者)、98対90だった。WBA13位、WBCとIBF7位、WBO13位にランクされるスティーブンスは34戦29勝(21KO)5敗、3連敗のデラ・ローサは28戦23勝(13KO)5敗。
12年ロンドン五輪、16年リオ五輪のミドル級で連覇を果たしたクラレッサ・シールズは、アマ時代の4年前に勝ったことがあるフランチョン・クリュース(米)と対戦、シールズが3対0の判定勝ちを収めた。デビュー戦同士のスーパーミドル級4回戦は、試合は開始と同時にラフな左右フックの応酬となった。徐々にシールズが正確なパンチで勝り、2回後半からクリュースは後退を強いられた。最終4回、シールズは疲労とダメージのみえるクリュースを攻めたが倒すことはできなかった。採点はジャッジ三者とも40対36だった。