海外情報 | 海外注目戦 | ランキング | TV・ネット欄 | 階級別特集 |
WBA世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦が3月21日(日本時間22日)、メキシコのチアパス州タパチュラで行われる。4位のエマヌエル・ロペス(25=メキシコ)と5位のカルロス・パディーリャ(25=コロンビア)が拳を交えるものだが、この両者は世界的実績が皆無にもかかわらず2月に突然としてランク入りしてきた。首を傾げたくなる暫定王座決定戦といえる。
そもそもWBAのスーパーフェザー級王座は内山高志(ワタナベ)が5年以上にわたって保持していたが、2月にスーパー王者に昇格。これを受け5月16日には、パナマで2位のブライアン・バスケス(コスタリカ)と3位のハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)がレギュラー王座の決定戦を行うことになっている。そんななかバスケスが体重超過のため剥奪された暫定王座の決定戦も挙行されることになったわけだが、ロペスもパディーリャも世界レベルでの実績はゼロに等しい。ロペスは10年7月にデビュー後、22戦17勝(6KO)4敗1分の戦績を残しているが、直近の11戦は6勝(3KO)4敗1分と振るわない。元世界王者クリストバル・クルス(メキシコ)と引き分けてはいるが、クルスは遠い昔に世界ランクを外れているロートルだ。このところ2連続KO勝ちを収めているが、1勝8敗2分、5勝3敗1分の選手が相手だった。一方のパディーリャは10年1月のデビュー後、17戦15勝(9KO)1敗1分と上々のレコードだが、こちらも11年に国内王座を獲得した以外は評価の対象になる勝利は皆無といえる。昨年5月にWBA傘下の地域王座に挑んだが判定負け。再起戦では3回TKO勝ちを収めているが、3勝25敗の選手が相手だった。それにもかかわらず両者は2月のWBAランキングで揃って突然トップ10入りし、暫定王座を争うことになった。WBAの「KOドラッグ(麻薬撲滅)」キャンペーンの試合とはいえ、あまりにも節操がないといえる。