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23日、中国特別行政区マカオのコタイ・アリーナで行われたマニー・パッキャオ(35=比)対クリス・アルジェリ(30=米)の前座では、ワシル・ロマチェンコ(26=ウクライナ)対チョンラタン・ピリャピニョ(29=タイ)のWBOフェザー級戦、ジェシー・バルガス(25=米)対アントニオ・デマルコ(28=メキシコ)のWBAスーパーライト級戦の世界戦2試合が行われた。
ワシル・ロマチェンコ
○ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
12回判定(3対0)
×チョンラタン・ピリャピニョ(タイ)
○ジェシー・バルガス(米)
12回判定(3対0)
×アントニオ・デマルコ(メキシコ)
12回判定(3対0)
×チョンラタン・ピリャピニョ(タイ)
○ジェシー・バルガス(米)
12回判定(3対0)
×アントニオ・デマルコ(メキシコ)
5ヵ月前にプロ3戦目で世界王座を獲得したロマチェンコの初防衛戦。サウスポーのロマチェンコは開始直後から軽快に右ジャブを飛ばして挑戦者を煽る。圧力に押されたチョンラタンは後手に回り守勢に追いやられる。ラウンド終盤になると王者のボディブローを浴びた挑戦者はしきりにベルトラインを気にする仕草をみせた。2回、チョンラタンが前に出てきたが、ロマチェンコは足をつかって間合いを外し、立ち位置を変えながら矢継ぎ早に左右を繰り出して53戦のキャリアを持つ挑戦者を翻弄した。3回、ロマチェンコは上下に左右を打ち分けて圧倒。チョンラタンはまったく動きについていけず、繰り出すパンチはすべて空を切った。4回終盤、ロマチェンコは右アッパーから右フック、さらに左を浴びせてダウンを奪った。5回もほぼ一方的だったが、挑戦者も粘りをみせた。チョンラタンが前進、ロマチェンコが動きながらテクニックで翻弄するという展開はその後も変わらなかった。8回、左手を痛めたのか王者の手数が極端に減り、以後はほぼ右手だけで戦うことになった。11回、ロマチェンコが右アッパー、右フックなど細かくパンチをまとめるとチョンラタンはロープに釘付けになったが、なんとか持ちこたえた。最終回もロマチェンコが自在に打ちまくって試合は終わった。
採点はジャッジ三者とも120対107だった。ロマチェンコは4戦3勝(1KO)1敗、チョンラタンは54戦52勝(33KO)2敗。
採点はジャッジ三者とも120対107だった。ロマチェンコは4戦3勝(1KO)1敗、チョンラタンは54戦52勝(33KO)2敗。
バルガスがV2
バルガスとデマルコはともに慎重なスタートを切った。2回にバルガスがバッティングで左頬をカットしたのを機にサウスポーのデマルコは攻勢を強めたが、バルガスも譲らない。バルガス側のチーフ・セコンドには元4階級制覇王者のロイ・ジョーンズ、デマルコ側にはフレディ・ローチ・トレーナーがつき、それぞれに指示を与えるなか、両者は徐々にペースアップ。正面からワンツーを飛ばすバルガス、左ストレートやボディブローを繰り出すデマルコ。5回にバルガスが右ストレートや左アッパークリーンヒットして抜け出した。追いかける展開となったデマルコは前に出るもののパンチは正確さを欠き、逆にバルガスに迎え撃たれた。9回、デマルコの左でバルガスの腰が落ちるなど雲行きが怪しくなったが、それ以上のトラブルに陥ることはなかった。
健闘をたたえ合う両者
採点はジャッジ三者とも116対112だった。4月に手に入れた王座の2度目の防衛に成功したバルガスは26戦全勝(9KO)。これで10試合連続判定勝ちとなった。2階級制覇を阻まれた元WBC世界ライト級王者のデマルコは36戦31勝(23KO)4敗1分。