大阪ダービー

　日本スーパーウェルター級王者、細川貴之(29=六島)が13日、大阪市内の住吉区民センターで初防衛戦を行うことを発表した。挑戦者は王座奪回に燃えるOPBFと日本スーパーウェルター級の元チャンピオン、野中悠樹(36=渥美)。
　8月10日の関西対決とあって、会見序盤から舌戦のゴングがなった。

　会見の冒頭、細川が所属する六島ジムの枝川孝会長は「この試合は大阪ダービーやし盛り上げなアカン。挑戦者の野中選手には負けたら引退、細川が負けたら渥美ジムの母体の渥美組(建設業)で1ヶ月ただで働いてもらう。それが嫌なら引退を勧告する」と両者に退路を断つように勧告した。

　初防衛戦に臨む細川は「野中さんはいつもスパーをお願いしているし手の内はお互い知り尽くしていますが、試合までには何か秘策を考えて臨みたいと思います。野中さんの良いところを潰して僕のペースでボクシングをするつもりです」と気合を入れた。「タダ働きは絶対嫌です」と悲壮な表情で語った。

　二度目のタイトル奪取のチャンスを得た36歳の元2冠王者・野中は「枝川会長がおっしゃった通り負けたら引退ということはいつも考えていましたし引退します。チャンピオンが言ったとおり手の内はお互い知り尽くしていますが、僕はキャリアや老獪さよりもスピードとパワーで圧倒し勝ちたいと思います。その上で世界へもう一度チャレンジしていきたい」と一気にまくし立てた。

　16年間野中と苦楽を共にしてきた渥美ジムの桂伸二トレーナーは「渥美ジムの大東旭会長代行がかつて持っていたタイトルですし、チャンスをいただいた。渥美ジムの初タイトルになると思うので、恩返しの意味も込めて野中とシッカリ仕上げて勝ちにいきたいと思います」と目を輝かせた。

　野中はかねてより親交があり入場曲に使用している歌手の吉川晃司氏からの激励のメールを読み上げ「スケジュールが合えば見にきてもらいたいです、かならず良い試合をしたいと思う」と野中は大物歌手の激励に気合を入れ直した。