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1日夜、東京・後楽園ホールでミドル級の東洋太平洋王者、柴田明雄(32=ワタナベ)と日本王者の中川大資(36=帝拳)が双方の王座をかけて激突した。両者はスーパーウェルター級時代の12年6月に対戦し、そのときは柴田が判定勝ちで中川から日本王座を奪っている。21ヵ月後の再戦でミドル級の王座を統一したのは柴田なのか、それとも中川なのか。
柴田はスピードで勝負
序盤から積極的に圧力をかけて出た中川に対し、柴田は持ち味のスピードと足を生かしながら巧みに迎撃していった。4回終了時の公開採点ではひとりが39対37で柴田優勢だったものの二者は38対38のイーブンにつけるなど、ほとんど差はなかった。試合が大きく動いたのは中盤だ。柴田の左右への動きに中川が攻め手を欠き、ほとんどのラウンドを東洋太平洋王者がものにしたのだ。そのため8回終了時には77対76、78対74(二者)と明確な差がついていた。
策が見つからなかった
「相手が遠くにいるので上体だけ突っ込むかたちになってしまった。どうしていいか、切り崩す策が見つからなかった」と試合後に中川は話している。9回に日本王者の反撃をくらった柴田だが、これを凌ぐと残りのラウンドでは再びこまめに立ち位置を変えながら中川の圧力をかわして試合終了のゴングを聞いた。採点は115対113、116対113、117対111の3-0だった。
次に繋がる勝利
昨年8月に村田諒太(三迫)に2回TKO負けを喫して以来の再起戦を勝利で飾った柴田は、ホッとした様子で控え室に戻ってきた。「相手が右を誘っているのが分かったので、途中から出せなくなった。前回の村田戦から体を強くしてきたつもりだったが、中川さんはタフなので結局、足をつかわされた」と試合を振り返った。試合内容に関しては「不満だが、3階級制覇の中川さんに勝てて、これからボクシングを続けていく気力が出てきた。勝ったことで次に繋がった」と安堵の表情を浮かべた。次戦は、この日のセミで勝利を収めた西田光(川崎新田)との試合になりそうだが、渡辺均会長は「どちらかの王座を返上するかもしれない」という。31戦22勝(9KO)8敗1分。
限界を感じたと中川
敗れた中川は左目周辺の腫れを冷やしながら会見に応じた。試合内容に関しては「戦っていて、どうやって自分のペースに持ち込めばいいのか分からなかった。その時点で自分の限界を感じた」と、点差以上の完敗であることを潔く認めた。21ヵ月前に続く敗戦だけにショックは隠せない様子だったが、さばさばした表情もみせた。「最高の仕上がりで、あのボクシングで負けたのだから、あれが自分の実力。やり切った感があるし、もうやめるつもり」と引退を告げた。2日に4歳の誕生日を迎える愛娘に勝利をプレゼントしたかったという中川は、「でも、人生、そううまくはいかないもの。一所懸命やっても勝てないことがあるというが娘にも伝わったかな?」と、苦笑いを浮かべた。28戦22勝(17KO)4敗2分。
柴田を称える中川