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WBA女子世界ライトミニマム級王者、宮尾綾香(30=大橋)は28日、東京・後楽園ホールに1位の指名挑戦者グレッチェン・アバニエル(28=比)を迎えて3度目の防衛戦に臨んだ。スピードを身上とする宮尾と、カウンターに威力のあるアバニエル。緊迫した試合となった。
接戦をものにした宮尾
大橋秀行会長が「最初は負けるかなと思った」というほど、立ち上がりのアバニエルは危険な雰囲気を醸し出していた。宮尾の動きにカウンターを合わせてきたのだ。しかし、中盤からは宮尾が前後左右の動きやフェイントで翻弄。折々に右ストレートをヒットして突き放していった。最終回には指名挑戦者をダウン寸前にまで追い込んで締めくくった。「相手も強かったし、それに内容のある試合で勝ったのだから合格」と、大橋会長は及第点を与えた。
試合後の会見では涙
文句ない王者の勝利だったが、敗者は不満そうだった。「宮尾はいい選手だが、強いというタイプではなかった。試合後の顔を見比べれば明らかなように、私のほうが多くのダメージを与えていたはず。ただ、向こうのほうが手数が多かったので、それを評価した採点ということで、判定は受け止める。できれば再戦をしたい。私は今年初の試合だったので、最終回の根比べでは仕上がりの差が出たと思う」。16戦12勝(4KO)4敗。
再戦したいとアバニエル
敗者が指摘するように、控え室に戻った宮尾の右目下は青黒く変色していた。それでもベルトを守った安堵感が漂っていた。「相手のカウンターは怖かったけれど、自分自身に勝ちたかったのでいきました。でも、まだまだです」と謙虚に試合を振り返った。大橋会長から「いい試合だったよ」と声をかけられると、思わず涙がポロリとこぼれた。最終回にはダウン寸前に追い込んだが「最後は欲が出てしまいました。そこが弱さなんですかね」と自問。「まだまだ納得できる試合ができていないので、理想のボクシングまでは遠いですね」と結んで会見を終えた。13戦12勝(1KO)1敗。
納得のボクシングは次で!