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30日、後楽園ホールで開催されたWBCユース世界ライト級王座決定10回戦に臨んだ日本フェザー級12位の伊藤雅雪(伴流)は、開始からフィリピン・ライト級11位、サウスポーのジェフリー・アリエンザをスピードで上回ると、3R以降は相手の入り際にボディを効かし、引いては右ストレートを当てるなど、左を苦にせず優位に試合を進めた。
9Rにダウンをとられるも
序盤で主導権を握った伊藤は、4R終了後の途中採点をジャッジ3者とものフルマークで折り返すと、5Rにはプレスを強めたアリエンザにアッパーをねじ込み、パンチをまとめる場面も演出。9Rにスリップ気味のダウンを取られたが、逆にこれで火が付いたのか最終10R、左右の連打でアリエンザをロープに詰め、最後はラッシュをかけレフェリーストップ。階級を上げてもパワー負けせず、なおも最後までスピードを保ち続けた伊藤が、10R 1分22秒TKO勝ちでユース王座を獲得した。無敗の伊藤は戦績13戦12勝(4KO)1分。
10Rのラッシュでストップ
試合後、敗れたアリエンザは「伊藤は手数とフットワークが良かった。スピードでも自分を上回っていた。(奪ったダウンは)左のカウンターで、振りぬいたら当たって倒れたが、伊藤のボクシングは素晴らしかった」と伊藤を称え、すっきりとした表情で完敗を認めた。
伊藤は良い選手とアリエンザ
一方、初のタイトル戦で見事にベルトを巻いた伊藤は、「スタミナが10R持つとは思わなかった。階級を上げても予想以上に動けました」とほっと一息。続けて「左構えを相手に、狙い通りにボディを攻めることができた。チャンスがあったらパンチをまとめ、絶対に倒す気持ちで戦った」と笑顔で試合を振り返った。9Rのダウンについては「あれはスリップ。試合中は顔にパンチをもらっていない」と、ダウンを否定した。
防衛以外ならSフェザーで
ユース王座については「強い相手と戦って獲れた分、価値があると思う。防衛戦はやりたいが、そうでなければ一階級落とす」と語り、防衛戦以外はスーパーフェザー級ランカーとの対戦を望んだ。最後に伊藤は「僕にハードなパンチはないが倒すボクシング、みんなに『おっ!』と思わせるような試合がしたい」と、抱負を語ると「年内にもう一試合」を希望した。
注目株へと成長した伊藤の次戦は
苦手としていたサウスポーを相手に、完璧とも言える試合内容でユース王座を獲得した伊藤。今後の楽しみな選手がまた一人上がってきた。