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4月に八重樫東(大橋)に判定負けを喫してWBC世界フライ級王座を失った五十嵐俊幸(29=帝拳)が7日、東京・後楽園ホールで再起戦に臨んだ。相手は3度の世界挑戦を経験しているベテランのオマール・ソト(33=メキシコ)。五十嵐はどんなかたちで再スタートを切ったのか。
9Rにソトがダウン
初回、サウスポーの五十嵐は左の打ち終わりを狙われ、右を浴びて大きくのけぞるなど不安定なスタートをきった。それでも、すぐに態勢を立て直し、足をつかいながら前後左右に動いて主導権を引き寄せていった。頭から入ってくるソトの攻撃を持て余すシーンはあったものの、取り立てて危ういと思われる場面は皆無だった。終盤に入ると五十嵐がバッティングで右目上をカット、ソトも左目上から出血するなど荒れた試合となった。そんななか、五十嵐は折々でカウンターの左ボディブローをヒット、ソトからスタミナを奪いダメージも植え付けていった。迎えた9R、五十嵐は左ストレートをきっかけに左右を上下に連打、ダウンを奪った。ソトは立ち上がったが、ビニー・マーチン・レフェリーはそのままカウントを10まで数え上げた。
再起戦勝利に安堵の五十嵐
右眉のなかが2センチほど横に切れ、ぱっくりと口を開いた状態の五十嵐だったが、控室に戻るとホッとした表情をのぞかせた。「100点には届かないけれど、KOで終わらせたのでよかった」と再起を飾り安堵した様子だった。たしかな手応えも得た様子で「スコンと軽く出した右で相手がひるんだので、そんなものなのかなと感じました。世界タイトルは取り戻したいけれど、まだ何試合か挟みたいですね。対応が遅れるなどダメな部分もあるので」と、慎重な姿勢もみせた。21戦18勝(11KO)2敗1分。
ソトは「まだ戦えた」と弁明
敗れたソトは、ダウンの裁定にもカウントアウトにも不満の様子だった。「まだ問題なく戦えたのに、レフェリーは止めるのが早かった。ホームアドバンテージでレフェリーは五十嵐選手に対して優位に働いていたのではないかと思う。三浦選手が先日、メキシコでフェアな判定で勝利したのに、日本はフェアではない」と語気を荒げた。それでも「五十嵐選手はいい選手だと思う」と、拳を交えた相手に対しては賛辞を惜しまなかった。36戦23勝(15KO)11敗2分。