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国内のアマチュアボクシングを統括する日本ボクシング連盟と、幼年から女子までの全登録選手では、一部メディアで“村田ルール”と呼ばれている新規約が、来月1日から結ばれる。そお主な内容は「プロのスカウトを受けた場合は、事前に同連盟の承認を得ること」や、「アマ選手の商業的活動は、報酬を連盟3割、選手7割の条件で解禁すること(国際大会の賞金にも同様の割り分)」など。
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アマ選手のプロ転向には、下記のような事項が明記されている。
(1)プロのスカウト行為を受ける際にアマ選手は事前に同連盟の承認を得る。
(2)連盟会長が指名する特別委員会が、プロジムの練習環境や活動計画、選手強化寄付金の額を精査する。
(3)特別委員会によって承認の仮決定を受けた後に連盟会長らが面談を行う。
(4)同連盟がプロでの活動の監督を行い、不適切な場合は承認を取り消す。
一部から激しく批判されているような「金儲け」が目的の新規約でもなさそうだが、外部の理解を得るには、少し説明不足かも知れない。誓約の対象は、選手登録をしている幼年、少年、成年の男女全員という大きな範囲にも関わらず、「ケース・バイ・ケース」という理由から、内容の具体性が乏しく、第三者には過剰な不安を呼びかねない。
以前、ボクシングモバイルの取材に対し、同連盟・山根会長は「五輪のためにかかった強化費や苦労が、いきなり水の泡になる苦しみを理解してほしい」という発案の理由を語った。しかし、五輪メダリストに限らず、引退から2年間は誓約の対象だというのは「範囲が大きすぎる」との声が、新規約で損必至のプロボクシング界から、多くあがっている。
発端は、かつて最愛だったロンドン五輪・金メダリスト、村田諒太(三迫)の青天の霹靂ともいえるプロ転向だった。「村田の二の舞を演じるな」という意味で、新規約が検討されたため、この規約は「村田ルール」と呼ばれている。
無論、トップ選手の誰もが、プロ転向で関係をこじらせているわけではない。井上尚弥(大橋)のように「円満退社」した選手もいるし、中澤奨(大阪帝拳)も、同会長は「本人があいさつの2度も来てくれた」といって激励した。
山根会長は村田と井上の違いについては「井上はプロの申し子。村田はアマの申し子だったから」との見解を示している。