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AIBA(国際ボクシング協会)がどうしても、ロマチェンコを確保しておきたいのは、APBを大成させたいからだ。一攫千金が魅力的な既存のプロボクシング界に対抗し、AIBAは、安定した給料制の新プロボクシング組織を発足。それがAPBにほかならないのだ。現代的な「見ごたえのある五輪競技」をめざす一方で、プロ・アマ双方の覇権を握ろうとする動きが、WSBを立ち上げた頃から、明確になり始めた。
ロンドン五輪の金メダリストでは、69kg級のセリク・サピエフ(カザフスタン)、91kg級のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)がAPB参戦にサイン。一方で49kg級のゾウ・シミン、56kg級のルーク・キャンベル(イギリス)、75kg級の村田諒太のように、優秀な野心家までは、抱えこむにはいたれなかった。91kg超級のアンソニー・ジョシュア(イギリス)も、プロ転向のタイミングを見計らっているといわれている。
ボクモバの取材に対し、AIBA関係者は「ロマチェンコのプロ転向報道は公式的なニュースではない」と否定。一方のロマチェンコ本人は、今年に入ってから「WSBの今シーズンが終わったら、次の照準を話せる。もう世界選手権へ出ることはない」ともコメントしている。もしこれがAPB参戦を意味していないのであれば――その真相は近いうちに分かりそうだ。
既存のプロボクシング界のベテラン・プロモーター、ドン・キング氏は、英語の苦手なロマチェンコについて「アメリカ市場を獲得するために、ボクサーは共通の言語でコミュニケーションを取らなければならない。とにかく、彼にプロで戦える準備ができているかどうかを見てみよう」と前向きだ。いずれにせよ、この大物タレントには、強さ以外にも、様々なものが求められている。そして、彼のナチュラルウェイトだろうスーパーフェザー級には、2人の日本人世界王者がいることも忘れてはならない。