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2月25日から3月3日まで、台中市内で国立台湾体育運動大学と合同合宿を行ってきた拓殖大学ボクシング部は、充実をかみしめるように帰国した。国際大会での成績だけ見れば、アジアでもCクラスの台湾(中国台北)だが、この交流には、どんな刺激があったのか。拓大の部員たちに尋ねてみた。
親善スパー。黄色が拓大
強国のキューバやロシアへ遠征し、その文化レベルの高さに圧倒されるのであれば、過酷な「武者修行」をイメージしやすい。だが今回の台湾合宿では、一見、拓大が、レベルの違いを証明しただけのようにも見える。事実、メインイベントの親善スパーでは、拓大が一方的な展開だったのである。
左が斉藤主将
では、同部はどんな手ごたえを感じたのか。新主将の斉藤晶に聞くと、こんな答えが返ってきた。
「不慣れな土地で、プライベートからまとまって行動していると、今まで以上の一体感が生まれたと感じました」
これは、今回の拓大のみならず、昨年に台湾で合宿を行った日体大の部員も、口にしたことだ。その後に日体大は、惜しくも1部から降格してしまったが、アットホームともいえる結束力を高めていたのは確かだった。
コーチ同士も交流
また、世界随一の親日とさえいわれる台湾人の人柄も、拓大生たちには印象深いようだ。「練習後は携帯電話の翻訳ツールを使って、必死でコミュニケーションを取った」というのは藤田大和。「今日(7日)から、台湾選手権が始まっているはずなので、自分たちと合宿の成果を発揮しているとうれしいです」と、同志の活躍を期待した。
対戦経験のある選手と再会した藤田(右)
強豪国へ行くことばかりが修行ではない。さらにいえば、外国でなくとも、日頃とは異なる経験をすることには、多くの収穫があるのではないか。
ちなみに“拓殖”とは「未開の土地を開拓し、そこに移り住むこと」の意味であり、1900年の開校起源も、台湾を開拓する人材育成が目的だった。今も外向性に富み、ボクシング部は近年にも中国・四川省やハワイなどで、親善試合を行っている。今後も台湾に限らず、積極的な海外遠征を続けていきたいとのことだ。