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21日に開催された『DANGAN64』の第一試合は、これまでの成績が1戦1敗(1KO負け)のルーキー二人が初勝利をかけた戦いだったが、世間の注目を集めた。青コーナーからリングに上がった清野航(石橋)は今年7月にプロデビューした23歳。一方の赤コーナーは6年前にデビューし、この試合の翌日に37歳の誕生日を迎えることで、プロボクサーライセンスが失効する歯科医の顔を持つ松井亮介(ワタナベ)…
渡辺会長と松井
試合は3ラウンド0分25秒TKOにより、清野航が勝利した。控室に戻った松井は『くやしい。残念です。』と下を向いた。松井は37歳の誕生日を迎える1年前の2011年12月に最後のリングに立つことを決意。所属先のワタナベジム渡辺会長とも話し合った上で、《勝つ気でやるのならば》という条件のもとトレーニングをはじめ、25キロのダイエットにも成功した。
清野航(石橋)
松井は試合に負けた悔しさを隠しきれず、記者団からの取材に応じる合間も、今回の引退試合をサポートしたトレーナーやジムメイトに頭を下げた。引退記念試合ではなかった―。最初のラウンドに受けた左フックが効いたと振り返る松井は「2ラウンドはほとんど記憶がない」と涙をこらえ、練習したことの3割もできなかったと猛省した。
松井亮介
試合後に握手を交わした両者。念願の初白星を挙げた清野は試合後「僕はボクシングを始めたばかりだけど、36歳までできるとは思わないが、それができた松井選手は凄いと思う。僕はボクシング人生を終えた後の人生が大事だと思っている。松井選手には引退後の第二の人生をがんばってほしい。」とエールを送った。敗れた松井は「チャンピオンになって下さい」と、自身が得ることのできなかった大事な1勝を挙げた23歳のルーキーに笑顔を見せた。
ボクサー松井亮介
2012年12月22日に引退を迎える松井亮介(ワタナベ)が、その前日にボクシングの聖地後楽園ホールのリングの上で見つけたものは《くやしさ》。くやしい、といえば思い出されるのが、今年6月に行われた井岡一翔(井岡)と八重樫東(大橋)による日本初のWBA・WBC世界王座統一戦後の控室。敗れた八重樫に元世界王者・辰吉丈一郎が掛けた言葉『くやしかったら泣いたらええ。励みになる。』