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序盤から積極的に攻めて、上下にパンチを打ち分ける武居に対し、冷静にガードを固めカウンターでパンチを返すマロニー、そうした対照的な立ち上がりとなった。中盤は、互いにミドルレンジでパンチを交わし、主導権の奪い合いを展開に。徐々に武居のパンチがマロニーの顔面を捉え始める。終盤に差し掛かり、疲れが見えてきた武居に対し、初回からペースを変えずに攻め続けるマロニー。最終12回、マロニーの猛攻にダウン寸前まで追い込まれるも、死力を尽くしパンチを返す武居に、東京ドームは大歓声で揺れた。試合の決着は判定へ。ジミーレノンJr.が「And the New」とコールした瞬間、日本人100人目の世界チャンピオンが誕生した。
日本人100人目の世界チャンピオンに輝いた武居が、「足立区から来た武居が、東京ドームで世界チャンピオンになりました!」と、東京ドームの大観衆に感謝の気持ちを伝えた。対戦したマロニーにも感謝の気持ちを伝え、「大橋(秀行)会長がチャンスをくれ、八重樫(東)さんが勝利に導いてくれました」と目頭を熱くした。そして、父と慕うパワーオブドリーム古川誠一会長には、「お誕生日おめでとうございます」と、最高のバースデーメッセージを贈った。
会見の席で武居は、「今日は、なんとかギリギリ勝つことができました」と、安堵の表情で語り「マロニー選手の気持ちが強くて、ああいう展開になってしまったが、頭の中は凄い冷静で、なんか八重樫さんの試合みたいだなと思いながら試合してました」とフルラウンドの戦いを振り返った。「入場の時からすごいたくさん(観客が)いて、歓声も凄かったので本当にパワーもらった」とファンの応援に感謝した。
キックボクシングからボクシングに転向して初の世界王者になったことで周りに与える影響に「自分の古巣のキックボクシングの子供たちも『将来はボクシングの世界チャンピオンになりたい』という夢を持つようになり、そういう道を切り拓けたのはよかったなと思う」と言葉を口にした。
今後に関して「まだどういう感じになるのかわからないが、次に気持ちをすぐ切り替えて行きます。今日の試合内容ではまだまだなので、強くなって必ず戻ってきます」と更なる進化を誓った。
元K-1王者との対戦を終えたマロニーは、「ユニークな動きをすることもあったが、シュミレーションを繰り返して、対策を練った。もう少し早いラウンドから前に出ていけば、結果は違ったかもしれない。ただ、武居のボクシングが良かった」と新チャンピオンを称えた。今後に関しては、「日本には、バンタム級の世界チャンピオンが4人いるので、また呼ばれるように頑張る」と抱負を述べた。