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WBA(世界ボクシング協会)バンタム級タイトルマッチが6日、東京ドームで行われ、チャンピオンの井上拓真(28=大橋)が、同級1位の石田匠(32=井岡)の挑戦を受けた。拓真はこの試合が2度目の世界王座防衛戦で、石田にとっては、これが2度目の世界挑戦。激アツのバンタム級の世界戦に注目が集まった。
石田匠のジャブに拓真がダウン!
拓真と石田の激突。ジリジリと距離を詰める石田に対して、拓真も下がらずコンパクトに速い左右の連打を打って突き返した。試合が動いたのは初回、ジャブの差し合いで、拓真がダウン。ただ、さほどダメージは感じさせずに立ち上がった。中盤以降は、拓真が潜り込んで左右のアッパーで石田を詰めたが、石田もジャブと右ストレートで突き返した。11ラウンドには、ストレートとアッパーで、顔面を弾きあった両者の気迫に大歓声が沸き起こった。結果は判定に持ち込まれたが、初回のダウン以降は、冷静にポイントを稼いだ拓真の勝利。
拓真が防衛成功
リング上で勝利者インタビューで拓真は、「想像以上の石田選手のジャブに、やりづらさがあったが、収穫は、それに勝てたことだけ。今日は勝てたことだけが収穫。こんなことでは、統一戦とか言ってられない」と、さらなる成長を誓った。
採点表
試合後の会見で石田は、「自分の出せる力は出した。出せなかった部分もあるが、結果は結果なので。倒したジャブは、いいジャブが入って感触もタイミングも良かったので、これで乗っていけると思っていた。自分が弱かったと言えばそこまでだが、チャンピオンも強かったし、自分のボクシングができなかった。対策をされていたし、自分もちょっとワンパターンになってしまって」と、試合を振り返った。
再起を誓った石田匠(井岡)!まだ32歳。
円熟期を迎えた石田への記者からの問いに「今後のことは正直諦めてはいない。まだ体も気持ちも動きますから。燃え尽きてはいない。ドームでの試合はいい景色だった。この中で試合ができたことは光栄で、忘れられないと思う。このままでは終われない」と、沈痛な面持ちで、再起を誓った。
井上拓真(大橋)防衛成功
会見の席でも拓真は「1ラウンド目にダウンを奪われ、そこから組み立てて挽回できた。そこが今回の収穫。試合前から(石田に)ジャブで競り勝てると思っていたので、そこで勝てたのが良かった。今回の内容だと(すぐに)統一戦(がどうこう)とは言えないが、一つ一つ課題をクリアして、統一戦を目指したい」と、リング上での勝利者インタビューと同様に、さらなる成長を誓った。