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WBA(世界ボクシング協会)フライ級タイトルマッチが6日、東京ドームで行われ、チャンピオンのユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)に桑原拓(29=大橋)が挑んだ。この両者は、3年前に行われた日本タイトルマッチで対戦して以来の対決。桑原は、リベンジと世界王座奪取を狙った。
試合開始のゴングを聞くと、すぐにプレスをかけ強打を打ち込むユーリと、足を使ってコンパクトにパンチを放つ桑原。両者ともに自分の強みを活かした試合を展開する。巧みな技術を見せる桑原だが、ユーリの圧に押され徐々に後退。中盤以降も、自分のパンチが伸び切る距離をキープしながらプレッシャーをかけ続けたユーリが、試合を優位に進める。終盤になっても足を止めず、回転力のあるパンチを放つ桑原に対し、ジリジリと大股で距離を詰め、的確に右ストレートと左フックを打ち込むユーリ。左ボディからの組み立ても見せた。互いに持ち味を出し切った試合は、判定へ。リベンジに燃える桑原を、ユーリが終始圧倒して、王者としての貫禄を見せ、初防衛に成功した。
試合後のリング上でマイクを向けられたユーリは、東京ドームで試合を組んでくれたスタッフ、そして、チームと家族に感謝すると、3年ぶりに対戦した桑原とのビッグマッチを「久々の対決で、(桑原は)超強くなってて、1ラウンドに効いたパンチがあった。でも、今日は僕の日でした」と振り返り、「会長が途中で、『娘が応援してるぞ』と鼓舞してくれた。次も頑張ります」と、ファンの大声援に応えた。
試合後の会見でユーリは、「勝ててホッとしている。場所などは関係なく、普通に『勝ったな』という感想。1ラウンド目、スピードもあり左フックで効かされたので、スピードに慣れるために、左ジャブで試合を作ったのが功を制した。(桑原が)嫌がって退がっているのはわかったので、集中してプレッシャーで詰め続けた。ボディで倒したかったが、相手も頑張った。交流がある中で、最後の戦いだと思い抱擁したが、世界戦なので『もう少し気持を出して、打ち合いにきて欲しかった』と友達として思う。今年はもう一戦したいが、ここまでスパンが短かったので、一度、家族とゆっくり休みたい」と淡々と語った。
会見に同席した守安竜也会長は、「勝ててよかった。試合中は心配だったが、今回勝てたことで夢が広がった。左ジャブでしっかりと攻められていて、さらに左ボディで倒せたら良かった。今回は80点」と、初防衛に成功したユーリを労った。