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WBA(世界ボクシング協会)フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)に挑戦する桑原拓(28=大橋)が11日、横浜にある大橋ジムで決意を語った。試合は、5月6日(祝・月)に東京ドームで行われる。
桑原拓の世界初挑戦を含む、クワトロ世界戦が行われる 「Prime Video Boxing 第8弾」は、プライムビデオで独占ライブ配信される。メインイベントは、井上尚弥(30=大橋)とルイス・ネリ(29=メキシコ)の対決!
アマ戦績68戦50勝18敗、インターハイと国体の2冠という実績を引っ提げ、注目を集めてプロ転向した桑原は、デビューから8連勝で2021年7月21日を迎えた。後楽園ホールで行われた日本フライ級タイトルマッチ、当時日本チャンピオンだった阿久井に挑戦した桑原は、プロキャリア唯一の黒星を付けられた。初回にダウンを奪われてペースを崩すと、ロープ詰められて勝負あり。10R2分49秒、TKOだった。
試合後に「トップ戦線に行った時に、また戦いたい」と語った桑原は、復帰してから5連勝中。その間にはOPBF王座を獲得し、初防衛もクリア。プロ戦績を14戦13勝(8KO)1敗(1KO)として、世界戦の舞台でリベンジを狙う。
この日の会見で桑原は、「リベンジ」という言葉を繰り返した。プロ唯一の黒星は、桑原のボクシング人生を大きく変えていた。「僕はアマチュアボクシングの延長で戦っていた。『プロは甘くないぞ』と教えられた。向かい合った時の圧力と、鋭い目つきは印象に残ってる。プロの厳しさと8オンスの怖さを知った」と2年8ヶ月前の対戦を振り返った。
ユーリ阿久井の成長ぶりは、世界王座奪取に成功したアルテム・ダラキアン(ウクライナ)戦をリング下で観戦した時に確認済み。「あのプレスは、ダラキアンもやりにくそうだった」と、圧倒的なプレッシャーとパワーを武器にコーナーからコーナーへと相手を追い込むユーリ阿久井の圧力を思い返した。
KOされたことに話が及ぶと「記憶に植え付けられている。記憶は絶対に消えない」と、胸の内を明かした。それでも、「(前回の対戦は)スピード一本勝負だったが、パワーアップとパンチの強弱緩急がつけられるようになった。スタイルは、僕の方が大きく変わってる。練習で、怖さと不安を払拭していきたい」と覚悟を決めると、「熱く燃えているが、(あまり熱くなりすぎると)空回りするので、クールに燃えるように意識してる」と、はやる気持ちを抑えた。東京ドーム決戦の位置付けを聞かれると「リベンジの先に世界初挑戦がある。倒されてるので、倒し返したい」と欲は出さないとしながらも、『リベンジ』に闘志を燃やした。
会見に同席した大橋秀行会長は、桑原の世界初挑戦に関して「OPBF戦で対戦したジーメル・マグラモ(比)は、ユーリ選手よりもパンチがあって怖い相手だったが、完璧な試合で勝ったので、すごく評価して、挑戦することを決めた。厳しい戦いになるが、ユーリ選手も東京ドームで、初防衛戦。中身の濃い試合になる」と、東京ドームのクワトロ世界戦の大橋ジムのトップバッターを託した。
松本好二トレーナーも「トレーナーとしてもリベンジ」と、前回の対戦時は、試合の2週間前に桑原を担当したため、準備が整わなかったが、敗戦後、根気よく練習を続けてきた桑原を「拓が取るんだという気持ちで飲み込みたい」と、しっかりサポートすることを約束した。
同門で、5月6日に東京ドームで競演する武居由樹(27=大橋)らとともに「パワーオブドリーム」で、パワーアップに努めてきた桑原。前回のユーリ戦以降は、毎週、トレーニングに参加してきた。「タイヤをひっくり返したり、原始的な練習。生物的に強くなるトレーニング」を重ね、桑原が警戒するユーリの「初回のワンツーと”獣のような目つき”」を跳ね返すための自信をつけてきた。大橋会長は「みんなが忘れてる根性」とメンタル面の成長にも太鼓判を押した。
会見の最後に桑原は「リベンジなのか、返り討ちなのか」と大きな覚悟を口にし、「予定通りではなかったけど、最善の道。あの時負けて良かったと言いたい」と気持ちを高めた。