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WBA(世界ボクシング協会)世界スーパーフライ級チャンピオンの井岡一翔(34=志成)が31日、大田区総合体育館で、ホスベル・ペレス(28=ベネズエラ)を挑戦者に迎えて、初防衛戦に臨んだ。井岡が大晦日に世界戦をするのは、今年で12回目。ギネス級の記録を打ち立てている。この試合に勝てば、今月26日にスーパーバンタム級で、 2階級目となる主要4団体(WBA/WBC/IBF/WBO)統一を果たした井上尚弥(30=大橋)に並ばれた、世界戦21勝という日本記録を塗り替えることとなる。
試合後の囲み取材で井岡は「前回の試合から、間合いに手応えを感じてた。相手を追い詰めて、KOができる間合いの部分で、練習から良い感覚があった。12回続ければKOできると思っていた」と切り出すと「KOでバシッと決めて勝つこと」に重きを置いて臨んだことを明かし「レフェリーが10カウントしたときの気持ちよさ」を、ファンと共有出来たことの喜びをかみしめた。
「自分のミスでペースが崩れる」と、小さなミスに神経を尖らせ「勢いのある選手は前で止めると後に続く」とファイター対策を説いた。
近距離でのパンチの交換が続いたが、「パンチをもらっても動揺しなかった」と攻める気持ちが優っていた。それでも、「怖いですよ。当たったら効きますから」とキャリアを積んだ名チャンピオンだからこそわかるボクシングの奥の深さを諭した。
34歳という年齢に関する質問にも「衰えは感じない。自分の体と相談してケアをしっかり取っているから、バランスが保たれている。井岡一翔としての使命があり、チャンピオンとして試合をして歩まなければならない。成長をやめない」と嫌な顔は見せずに笑顔で答えた。
世界戦勝利数に絡めて、井上尚弥(30=大橋)の話も出たが「21勝は意識していないし、『彼がどういうボクシングをするから自分がこうする』とかもない。年齢的に自分の方が早く引退するから、いつか彼が(記録は)抜く。記録どうこうじゃなく、自分はみんなのサポートを受けてやれている。結果として、ボクシングが盛り上がっていくなら本望」との考えを示した。
今後に関して「エストラーダとスムーズに決まれば一番だが、応援してくれる人達のために試合をし続けた先に見えるものを見たいし、見せたい。世界戦に上がるチケットを持っているなら、上がり続ける」。
試合後、悔しさを隠せなかったペレスは「チャンスをもらえて、良いコンディションで挑めてグレートな試合だった。井岡をリスペクトしている。ポイントに的確に打ち込んでくる右が強かった。右目にもらったパンチが強く、自分のパンチも届いていたが、それ以上に井岡の方がパワーがあった。勝つつもりだったが、想定外に負けてしまった。これからも頑張っていきたい」と再起を誓った。
「まだ若く、経験はこれから積んでいく。もう少し下の階級でやった方が良いとプロモーターと話す」とペレスを労ったのは、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)のマネージャーも務めるホセ・アルフレッド・カバシェロトレーナー。「エストラーダ個人は、井岡とやりたいが、その他の選手からのオファーも多く、エストラーダの同意する額が出せればできる。全オファーをテーブルに並べて、それぞれの提示額で選ぶ」と、井岡が対戦を望んできたエストラーダの気持ちを代弁しつつ、井岡との対決が実現しない現状に理解を求めた。