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前WBC世界ライトフライ級王者で、今月28日に世界前哨戦を迎える矢吹正道(30=緑)が19日、横浜さくらジムで、出稽古の様子を公開した。この日は、フライ級を主戦場とする大保龍斗(28=横浜さくら)を相手に、6ラウンドのスパーリングを披露した。
この両者は、2019年5月に後楽園ホールで50.0kg契約8回戦で対戦している。その時は、6ラウンドTKO決着で、矢吹が勝利を挙げ、その後、日本王座を歴任後に世界チャンピオンにまで一気に駆け上がった。大保もこの試合の後は、2勝1分けと負けなしで、日本フライ級12位に着けている。
「プロになってからは、初めて来た」という矢吹だが、小学生の時には、井上尚弥(大橋)、平岡アンディ(大橋)、亀田和毅(TMK)らと「全国ちびっ子大会」が行われていた「横浜さくらジム」で顔を合わせている。
この日のスパーリングでは、鋭い右ストレートを打ち込み、中間距離からは、飛び込みながら左を打って入る動きを見せ、ゲームメイキングの上手さを印象付けた矢吹に対して、大保もタイミングを合わせて、右ストレートと右アッパーを返すなど、矢吹の最終調整の相手を十分に務めた。
徐々に体が温まってきた5ラウンドには、激しいパンチの交換からカウンターを取り合う場面も見られた。
汗を拭いながら矢吹は「ファイターで強いと聞いてたんで、お願いした。疲れてる状態でこれだけできたのでよかった」と手応えを感じていた。合計100ラウンドほどのスパーリングで、実践感覚を高める矢吹は、今週土曜日まで横浜に滞在し、小浦翼(E&Jカシアス)とも6ラウンドのスパーリングを予定している。
スパーリングを終えた大保は「矢吹さんは今一番きつい時だが、『攻撃が終わったかな』のタイミングで、もう一発来たので、KO率が高い理由がわかった。ジャブが見えなかった」と矢吹の仕上がりの良さを口にした。
28日に対戦するロナルド・チャコン(31=ベネズエラ)に関して、「カウンターを打ってくるいい選手。ダニエル・マテヨン(34=パナマ)にも2回勝ってるので強いと思う」と矢吹も対戦して惜敗した現WBA世界1位のマテヨンにも黒星を付けた相手に対して、警戒心を強めた。それでも、中南米の選手特有の不規則なリズムのボクシングには「苦手意識はない。型にはまらないボクサーは苦手ではない。ビッグパンチに気をつける」と過度な警戒心で手数が減ることを避けるため、「(相手は)カウンターを狙ってくるので、入りすぎないように。ジャブを突いて、距離は近めで戦いたい」と序盤から様子を見て、後手に回らないよう心がけるとした。
1月6日には、弟の力石政法(28=緑)がWBOアジアパシフィックタイトルを獲得したが、このことに話が及ぶと「あいつの試合で、刺激受けたのは初めてかも。次の日からスイッチが入った」とギアアップしたことを明かした。
ABEMAでもライブ配信決定!
矢吹の試合は、三重テレビで生中継されるが、この日、ABEMAのボクシングチャンネルでもライブ配信されることが発表されると「全国の人に見てもらえるんで良いですね。地上波とABEMAのコラボはあまりない」と喜んだ。