興毅、無敗挑戦者を迎え!

　「夏休み最後の1日」を飾ったWBA世界バンタム級タイトルマッチ、王者"燃える闘拳"亀田興毅(亀田)VS"無敗の挑戦者"デビッド・デラモラ(メキシコ)の12回戦。
夏の思い出を、興毅VSデラモラの一戦で締めくくろうと、会場となった日本武道館には沢山の"亀田ファン"が駆けつけ、リングに熱い声援を送っていた。
　"亀田ファン"の期待に応えるべく、王者・興毅も序盤から精度を上げたノーモーションの左ストレートで挑戦者デラモラの顔面を跳ね上げるが、3回にはデラモラの右ストレートに左目上を切り裂かれる。ここで興毅は左アッパーで即座にダウンを奪い、試合の主導権を引き寄せるかに見えた。

写真は後程

　興毅はダウンを先制するも、中盤にはブロックからカウンター狙いに作戦を切り替える。デラモラは右フック・左ストレートを打ち込まれるも、単発のカウンター攻撃に終始する興毅に対し、ワンツー連打・左右フックを繰り出し、手数でポイントを奪い返して行く。
　試合は判定となるが、ジャッジはカウンターの左ストレート・右フックを的確に打ち込んだ興毅に軍配を挙げ、僅差判定3-0(114-113・115-113・115-112)でWBA世界バンタム級王座2度目の防戦に成功した。

　挑戦者デラモラの善戦に苦戦を強いられた王者・興毅は、3回にカットした左目上の傷の治療を終え、神妙な面持ちで武道館の特設インタビュールームで会見に臨んだ。
　まず2度目の防衛戦を振り返った興毅は「良いところもあれば、悪いところもある。理想とする勝ち方では無かったが、今日は勉強になった」と険しい表情を見せ、3回のダウンで倒し切れなかったことには「3回以降も何回か惜しいところがあった。倒せなかったのはもったいない。帰ってビデオを観て勉強するよ」と反省の弁。

　挑戦者の印象を聞かれ「デラモラは気持ちも強かったし、勢いもあった。若いし、これからの選手。だけど良い選手だったよ」と高評価を下す。
　今後のプランを求められ興毅は「一戦一戦大事に戦って行く。だけどバンタムに上げてから、全ての試合でダウンを奪っている。パワーはついてきたかな。次の防衛戦は倒せるようにしたい」と目標を語り、続けて「2度の防衛は初めてだから嬉しいな。3回は防衛したい。俺は"3"が大好きだから(笑)」と初めて笑顔を見せる。

　最後に応援してくれた"亀田ファン"に対し「"夏休み最後の日"に、多くのお客さんが武道館に集まってくれて本当に嬉しい。感謝しています。今日は沢山の応援、ありがとうございました」と興毅は感謝のメッセージを送った。

　"無敗の挑戦者"デラモラに、予想外の乱打戦へ持ち込まれた興毅であったが、最後はキャリアの差でタイトル防衛に成功した。
　年末に予定される3度目の防衛戦、"燃える闘拳"はスッキリとしたKO勝利で2011年を締めることができるのか…。