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[記者会見]2021.12.21

大晦日に勝ってヒーローになってやる!

 WBO(世界ボクシング機構)スーパーフライ級6位の福永亮次(35=角海老宝石)が21日、都内の所属ジムで会見を開き、急きょ決まった世界挑戦に向けての意気込みを語った。

 福永は大晦日12月31日(金)、大田区総合体育館でチャンピオン井岡一翔(32=志成)に挑戦する。当初、井岡はIBF(国内ボクシング連盟)同級王者のジェルウィン・アンカハス(29=比)との2団体王座統一戦を行う予定だった。福永自身も、1月15日(土)に日本王座とWBOアジアパシフィック王座の防衛戦を予定していた。しかし、新規外国人の入国を一時見合わせる政府方針に伴い、井岡とアンカハス戦が中止となったため、2冠王者の元に思わぬビッグチャンスが舞い込んできたのだ。

 「相手は調整試合くらいに思っているかもしれないが、記念挑戦にするつもりはない。必ず勝ってベルトを巻く!」と福永は王座奪取を宣言した。
「世界戦は夢の舞台」
 井岡対アンカハス戦中止のニュースが流れると、SNSを通じて福永の元には「井岡との対戦はあるのか?」とメッセージが来たという。「自分は試合が決まっているし、挑戦することはないと思っていた」と当時の心境を語った。

 しかし、型枠大工の仕事をしている最中に奥村健太トレーナーから電話がかかってきて、井岡サイドから試合のオファーが届いたことを知った。「最初は夢かなと思った。(世界戦は)ボクサーの夢の舞台。年末も仕事の予定があったが、周りの協力で代わりが見つかったので」と、その日のうちに決断した。
「最初から攻めていく」
 「ボクシングのお手本のような選手で、すべてを兼ね備えている」と相手のV3チャンピオンを称えるが「パンチ力と気持ちでは負けていない。小細工は通用しないと思うし、挑戦者らしく攻めて、見ている人が感動する熱い試合をしたい。最後には自分の手が挙がる」と言葉に力を込めた。
急ピッチで対策を練っている
 コンビを組む奥村トレーナーは「前戦(10月に梶颯(帝拳)に判定勝ち)で12ラウンドを戦い切ったことが収穫。この一戦でさらに強くなった。当たるパンチもあると思うが、井岡選手は頭が良いのですぐに対応してくる。その上をいくように対策を練っている」と全力でサポートしていく心づもりを述べた。

 昨年2月のフローイラン・サルダール(比国)戦以降、「パンチをもらいたくない」という自身の感覚だけに頼らず、相手をよく見て、頭で考えながら戦うようになったという。
「勝って人生を変える」
 福永は2013年8月に26歳でデビュー。この時、井岡はすでに世界2階級制覇を成し遂げていて、大晦日の世界戦の舞台にも立っていた。昨年の大晦日に開催された井岡と田中恒成(畑中)のビッグマッチのアンダーカードにジムの後輩が出場していたこともあり、会場で観戦する予定だったが「現場仕事が終わらなくて」と断念した。

 福永が勝てば35歳4ヶ月での王座獲得。これは、日本人男子による世界タイトル初獲得最年長記録となる。「自分は運を持っている。勝って人生を変えます!」と来年の年男が大晦日でのタイトル獲得を誓った。

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