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序盤から落ち着いてプレスをかけながら左ボディからの組み立てでリズムを作った藤岡に対して、左フックを返したウルビナだが、藤岡は手数で圧倒。終盤は藤岡の右ストレートが何度も挑戦者の顔面を捉えた。
「まだ少しボクシングが続けられる」
米国ロサンゼルスの野外会場で世界王座防衛に成功した藤岡奈穂子(T&H)。「初回からポイントを取らないといけないと思ったが、最初は取られたと思った。終始、プレスをかけながら強いパンチを当てていくことを心掛けた。途中からボディが効いてきたのか、相手が疲れているのがわかったので、試合が組み立てやすくなった。屋外でのリングで暑かったが集中していたので気にならなかった。(米国のリングは)楽しかったし、勝ててまだ少しボクシングを続けることができるのでうれしい。また、米国のリングに呼んでもらえたら。タイトルうんぬんではなく、誰と戦うか。」と試合を振り返るとともに戦うことの原点を思い出させた。
一方、藤岡の試合の後にリングに上がったWBO女子世界ライトフライ級チャンピオンの天海ツナミは判定で王座を明け渡すことに。「こっちは完全アウェーなので(天海対エストラーダ戦は)一人でも声援が多い方が良いと思い、リングサイドでツナミを応援した。接戦で採点はツナミに厳しいと思った。エストラーダの方が手数が多かった。」と前回の試合で引き分けた拳友の試合を見守っていた。コロナ禍での米国遠征で、日本女子ボクシングのレベルの高さを証明した両選手に拍手を送りたい。
この試合で初めて米国のリングに上がったWBO女子世界ライトフライ級王者の天海ツナミ(山木)は、メキシコ出身で人気のセニエサ・エストラーダを挑戦者に迎えた。
序盤からテンポの速いボクシングを展開した両選手。技巧派のエストラーダは時折スイッチして天海ツナミのプレスをかわすと左フックを返してリズムを作った。ディフェンスに定評のあるチャンピオン天海だが、終盤に入るとエストラーダのカウンターを被弾する場面もあった。プレスをかけつつ右ストレートを当てるも攻めきれず。判定決着で王座を明け渡すことに。会場からは大きな拍手が送られた。