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[試合後会見]2021.5.20

ウェルター級アジア2冠王者が誕生!

 OPBF東洋太平洋ウェルター級王者の豊嶋亮太(25=帝拳)とWBOアジアパシフィック同級王者の別府優樹(29=久留米櫛間&別府優樹)が20日、後楽園ホールで開催された「第600回ダイナミックグローブ」のメインイベントで王座統一戦に臨んだ。
 緊張感が漂う中、2人の王者が拳を交えた。ベルトはどちらの手に――。
豊嶋亮太(帝拳)が2冠王者!
 終始、冷静な試合運びを見せた豊嶋が2本のベルトを巻いた。序盤は、別府が出入りを意識したボクシングで相手のパンチを外すのに対し、豊嶋はプレスをかけてボディを狙った。4回終了時の公開採点は40-36×2、39-37×1で豊嶋がリード。これでリズムに乗った豊嶋は、左ボディで動きを止めると7回に右アッパーでダウンを先取。ポイントをさらに広げた豊嶋は、着実にダメージを与えて10回に左フックで2度目のダウンを奪いフィニッシュした。
「途中で流れを掴んだ」
 2本のベルトを肩にかけて会見に臨んだ豊嶋は「相手の強打を警戒しすぎて動きが硬かった。ダイナミックグローブの600回記念のメインイベンターということで気持ちが高ぶり緊張していたのかもしれない」と重圧を感じていたことを明かしたが、「別府選手の右のスイングの角度を研究して、角度を殺すディフェンスを練習してきた。緩急とポジションを意識した右ストレートと右ボディがよく当たった。流れを掴んでから良い動きになった」と冷静に言葉を発した。

 2冠王者に輝いた豊嶋は「ベルトを統一できてうれしい。対戦してきた選手のすべてを奪うつもりで試合に臨んでいる。相手の思いを背負いながら、まだまだ勝ち続けていかないといけない。ここからまた再スタートだと思って次に向かっていく」と決意を口にした。
「相手の方が強かった」
 一方、試合後に電話取材に応じた別府は「(豊嶋選手は)こっちがパンチを打ち込んでも予想以上にブレず、やりにくかった。常に自分が動かされ、動くしか選択肢がない状態だった。なかなか良いパンチを当てさせてくれなかった。次第に体力を削られてしまった」と豊嶋の強さを認めた。
 初防衛戦でベルトを失った別府は「勝つことしか考えていなかったので、今は頭の中の整理がつかない」と今後については明言を避けた。
日本ウェルター級王者の小原佳太(三迫)
 この試合をテレビ観戦した日本同級王者の小原佳太(34=三迫)は「豊嶋選手は7回にアッパーで倒した後に仕留めにいかず、勝ちに徹したボクシングだった。別府選手は、出してきたパンチに合わせたかったと思うが、相手のガードが固くて先に(パンチを)出させられた。途中、ガードの上からパンチを当てて打開しようとしていたが続かず、打つ手がなかった」と感想を口にした。

 3冠王座統一戦に話が及ぶと「ずっと、大学の先輩である村田さん(村田諒太)の世界戦のアンダーカードに出場したいと思っている。それであればいつでも(豊嶋選手と)戦いたい」と条件付きながら、国内ウェルター級最強を決める戦いに前向きな姿勢を見せた。
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