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[試合後会見]2020.7.25

神戸の陣!18歳差対決を制したのは?

 新型コロナ禍の影響でボクシング興行がストップしていたが、25日に関西でもイベントが再開した。神戸市立中央体育館で開催された「REAL SPIRITS.67」のメインイベントで前WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王者の冨田大樹(22=ミツキ)と元日本&WBOアジアパシフィック同級王者の堀川謙一(40=三迫)が空位のOPBF東洋太平洋ライトフライ級王座をかけて拳を交えた。
 急遽、無観客で行われたタイトル戦でベルトを巻いたのは――。
最後は倒した
 衰え知らずの鉄人が熟練の技を存分に見せつけた! 初回から堀川が緩急をつけた攻撃でペースを掌握。距離を取る冨田に対し、ジリジリと距離を詰めるとノーモーションの右と左ボディでダメージを与えた。流れを変えたい冨田は打ち合いにいくが、堀川のショートパンチが上回り攻勢。最後はワンツーでグラつかせて連打から右ストレートで仕留めた。
左:永田大士(30)と右:中川健太(34)も祝福した
 復帰戦で再びベルトを巻いた堀川は「相手がしんどいのはわかっていたが、いなすのが上手いので仕留めるのが難しいと思ったが、最後はストップ勝ちすることができてホッとしている。今日は右も左のパンチも良かったと思う」と声を弾ませた。
 40歳での戴冠に「35歳から衰えは感じていない。年齢が高いから負けたと言われたくなかった。今日、結果を出したから40歳でも大丈夫だとは一概には言えないが、普段から節制して精進したら勝てることを証明したかった」と胸を張った。
   この日、圧巻のパフォーマンスを見せた堀川謙一。現役最多の58戦目の今が一番強い。
三迫ジムからさらに王者が誕生
 会見に同席した三迫貴志会長は「こんなに感動したのは初めてかもしれない。『負けたら引退だ』と言うから、年齢のことを考えたらわかるがそれは言うなと伝えた」と試合前のエピソードを明かすと、「前回の試合は急な試合で、コンディションを作らせてあげられなかった私のミス。だから、どうしてももう一度チャンスを作りたかった。徹底した節制と練習の姿勢が素晴らしい。今日は結果を出してくれて本当にうれしい」と敵地で王座に返り咲いたベテランを手放しで褒め称えた。  

 三迫ジムは7月16日に永田大士(30)が日本スーパーライト級王座を獲得し、中川健太(34)が7月22日に日本王座初防衛に成功。そして堀川がOPBF王座を奪取し、ジム7人目の現役チャンピオン誕生となった。今年で60周年を迎える三迫ジムの勢いはとどまることを知らない。
堀川ワールドに飲まれた
 一方、必死に食らいついたが、最後はキャンバスに沈んだ冨田は「堀川選手は向き合わないとわからない独特の距離感があり、途中から迷いが生じてしまった。キャリアの差を感じた」と肩を落とした。
 今後について聞かれるとしばらく考えて、「少し休んで自分の頭の中を整理したい。辞めることはないので前を向いていきたい」とこの敗戦を糧に復活を目指す。
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