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WBOアジアパシフィック・ミニマム級王者の重岡銀次朗(20=ワタナベ)が大晦日に東京・大田区総合体育館で開催された「LIFE TIME BOXING FIGHTS.3」の第1試合に出場。WBA(世界ボクシング協会)同級4位、WBOアジアパシフィック同級4位のレイ・ロリト(29=比/大成)を迎えて初防衛戦に臨んだ。5戦目で世界挑戦経験のある難敵と拳を交えた重岡の動きに注目が集まった。
重岡が苦しみながら初防衛に成功
サウスポー同士の一戦は、初回から鋭いパンチの交換でスリリングな攻防を見せたが、重岡の左クロスが決まりダウンを先取。重岡のペースで進んでいたが、3回にロリトの打ち下ろしの左ストレートを浴びて一転ピンチに。その後は、激しい打撃戦を繰り広げていたが、5回に重岡の左ストレートが炸裂し2度目のダウンを演出。なんとか立ち上がったロリトだったが10カウントが数え上げられた。
レイ・ロリト(大成)
控え室に戻ると涙が止まらなかったロリト。タオルで涙をぬぐい顔を覆ったが「シゲオカは強くてパンチのある賢い選手だ。初回のダウンはびっくりしたが効いてはいなかった。3回のチャンスで相手の動きが良くて捕まえきれなかったかった」と試合を振り返った。
ミニマム級は重岡銀次朗が面白い!
「今までは相手のレベルが低いと言われていたけど、今回は強い相手と言われてたので試合を観ていない人には、5ラウンドKOということだけ伝えたいですね」と笑顔で始めた試合後の囲み取材。「3ラウンド目のワンツーは効いた。熊本の試合でも同じような感じでパンチが効いた場面はあったけど、今回のほうが強くて、しばらく頭がぼーっとしていて。足を使った方が打たせずに着実に取れると途中で気づいて切り替えた。2ラウンド目に鼓膜が破けて、拳も頭に当たった時に痛め、12ラウンドやっていたら、どうなるか分からなかったので倒せてよかった。相手は綺麗にワンツーを決めても効いた素振りがなかった。とにかく(パンチを)もらいすぎた」と反省の弁が口をついた。「こんな勝ち方でしたけど、来年中には世界王座に挑戦できると思う。最短記録にこだわりはないけど、早く獲れるに越したことがないと思っているので、日本でも海外でも誰とでも戦いたい。年が明けたら1月13日が成人式なので熊本に帰るけど、傷だらけの顔で行きたくないなあ。鼓膜が破れているので飛行機に乗っていいのか心配です」。2020年は注目を集めはじめたミニマム級の風雲児の飛躍に期待したい。
採点表