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ロシアの首都モスクワで2日と3日に開催された4年に1度のAIBA(国際ボクシング協会)の総会では、ボクシング界にとどまらず、五輪スポーツ界全体から注目を集めて新会長の決定選挙が行われ、今年から暫定会長を務めてきたガフール・ラヒモフ氏(ロシア国籍のウズベキスタン人)が134票中86票を獲得して正規会長に就いた。かねてより「五輪競技からの除外検討」まで示して、これに反対してきたIOC(国際五輪委員会)は、今月末から東京で行われる会議で慎重に議論したいとコメントしている。
選挙活動が致命的に滞ったコナクバエフ氏
CAS(スポーツ仲裁機構)の判決によって、会長選挙には直前にASBC(アジアボクシング連盟)の会長を務めてきたセリク・コナクバエフ氏(カザフスタン)の立候補が認められたが、同氏が得たのは51票(残り3票は放棄)。長期間の選挙キャンペーンを行い、暫定会長としても功績を積んできたラヒモフ氏が勝利となった。コナクバエフ氏は2016年リオ五輪で集まった資金の再分配や「国際ボクシング」を「世界ボクシング」に改称するなどのマニフェストを掲げ、何よりラヒモフ氏に根深い麻薬密売疑惑によるブラックな印象と対比させるように、ホワイトな印象で戦ったが、ラヒモフ氏もウズベキスタン政府に犯罪疑惑が潔白であったことを証明させるなどでイメージ改善に努めていた。
五輪実施は月末から東京で議論される
金融制裁を与えている米国財務省はこの潔白証明を認めておらず、IOC(国際五輪委員会)もラヒモフ氏の会長就任に警告を続けてきた。
IOCの広報担当であるマーク・アダムス氏はラヒモフ氏の当選後に「11月30日から12月2日まで東京で行われる会議で議論するが、五輪種目としての存続に影響を与える可能性は今もある」と改めて懸念の意思を表明。その上で「議論の結果がどうだったとしても、東京五輪で選手を保護し、トーナメントを開催するためにあらゆる努力を続けていく」とも語った。以前から示唆されているこの意向には、AIBA以外の組織によって五輪のボクシング競技を管理させる方法が検討されているという憶測を飛び交わせている。
IOCの広報担当であるマーク・アダムス氏はラヒモフ氏の当選後に「11月30日から12月2日まで東京で行われる会議で議論するが、五輪種目としての存続に影響を与える可能性は今もある」と改めて懸念の意思を表明。その上で「議論の結果がどうだったとしても、東京五輪で選手を保護し、トーナメントを開催するためにあらゆる努力を続けていく」とも語った。以前から示唆されているこの意向には、AIBA以外の組織によって五輪のボクシング競技を管理させる方法が検討されているという憶測を飛び交わせている。
選挙後の壇上
日本ボクシング連盟からは内田貞信(会長)、菊池浩吉(副会長・事務局長)、梅下新介(五輪推進委員会副委員長)、本博国(五輪推進委員会委員)が出席。内田会長はこの決定を受け、「現実は受け止めるしかない。東京五輪での競技実施への不安材料になるが、ここまでは、予測して署名活動を進めてきた。IOCにも東京五輪から除外されないように、心から祈りながら最大限に努力したい」とコメントした。