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AIBA(国際ボクシング協会)では現在、ロシア国籍のウズベキスタン人であるガフール・ラヒモフ氏が暫定会長としてトップに立っているが、同氏にまつわる麻薬密売などの犯罪疑惑をに対し、今年7月、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長は「ガフール氏が正規な会長になれば、ボクシングを2020年東京五輪でスポーツを危険にさらす」と警告。この問題解決のため、カザフスタンのセリク・コナクバエフ氏が、11月にモスクワでの総会で行われる会長選挙に、対抗馬として立候補を表明した。
日本連盟の山根・前会長
国内では日本ボクシング連盟の山根明・終身会長の退会と理事一新の活動が大きく注目されたばかりだが、今度は、ボクシングの五輪種目としての存続危機問題に正念場が迎えられそうだ。
IOCも辞めたウー元会長
AIBAは「2016年リオ五輪での判定買収疑惑」、「反ドーピング措置の遅延」、「アゼルバイジャン企業との11億円の借金」など、IOCから様々な問題解決を突きつけられる中、昨年11月、独断での解決を模索したウー・チンクオ会長が辞任。イタリアのフランコ・ファルシネリ氏を一時的な中継ぎとして、暫定的に会長となったのがガフール氏だった。同氏はアメリカ財務省から「ヘロインの生産から密輸に至る大シンジケートを運営している」と指摘された人物で、2000年シドニー五輪でもブラックリストとしてオーストラリアへの入国を拒否されたことはボクシング関係者の間では有名だった。
世界ユース選手権開催地にて
とはいえ、未解決な課題の大半はウー会長時代のものだ。ガフール氏は、まず「女子の階級を2つ増やして男子の階級を2つ削る」というAIBA役員の多数が反対していた課題に、女性役員の割合を増やすなどの意見調整で解決。公式発表はまだだが、海外メディアなどでは男子の新階級は52kg、57kg、63kg、69kg、75kg、81kg、91kg、91kg超級に変更されると報じられている。また借金にも「2021年1月まで支払う必要はなくなった。和解成立で倒産を回避した」と発表した。
一騎打ちを決めたコナクバエフ副会長
課題を解決し始めているガフール暫定政権だが、IOCとの関係は冷えたままだ。対抗馬のコナクバエフ氏は、現在59歳で、ソ連の代表選手時代には1980年モスクワ五輪で銀メダルを獲得。ASBC(アジア・ボクシング協会)の会長とAIBAでも副会長を務めてきた。会長選挙の立候補者は今月23日に発表されることになる。