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北海道から後楽園ホールに乗り込んだ佐藤光(畠山)が11日、「フェニックスバトル」で多川航(大橋)と対戦し、初勝利を挙げた。9月6日に最大震度7を観測、大地震の影響でライフラインがストップした北海道。コンディション作りに苦労した佐藤だが、勝ち名乗りを受け、試合後は頬を緩めた。
勝利への執念を見せた
多川の右ストレート、右アッパーを浴びながら懸命に前に出て手数で競り勝った佐藤は、「とにかく必死でした。勝ちと負けでは全然違う。やっと努力が報われた」と晴れやかな表情を見せた。自宅から車で1時間かけてジムに通う佐藤だが、停電のため信号が止まり、試合直前にも関わらず、3日間ジムで練習ができない状態が続いた。「地震で試合への気持ちが途切れかけたが、この試合に人生を賭けていたので切り替えた」。
北海道を盛り上げる
「後楽園ホールで勝ってくるのは北海道でボクシングをしている者の喜び」。そう語ったのは畠山昌人会長だ。「うちのジムは逆境に強い。これからも厳しい状況の中でも強くなっていかなければならない」と語った。現役時代には日本Lフライ級王座を4度防衛した畠山会長。生涯戦績20戦のうち、後楽園ホールで18試合、沖縄で1試合。ラストファイトだけが地元での試合だった。常に敵地で勝ってきた畠山会長の言葉には重みが感じられた。