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WBC世界バンタム級王座を12度防衛した山中慎介(帝拳)が26日、都内のホテルで引退を発表した。長女の梨理乃ちゃんと壇上に上がった長男の豪介君からは「パパ卒業おめでとう」と労いの言葉をかけられた。
※生涯戦績:31戦27勝(19KO)2敗(2KO)2分
※生涯戦績:31戦27勝(19KO)2敗(2KO)2分
左拳には「よく頑張ったね!」と言いたい
会見前にはこれまでの山中の歴史を振り返った映像が流された。この日、出席した100人を超える関係者は、山中の数々の激闘を食い入るように見つめた。会見の冒頭で山中は、「これまで勝ち続けて大変なこともあり苦しいこともありましたが、それ以上にボクシングを通じて成長させていただきました」。「いつもは試合の2日後にロードワークをしているが、ボクシングをやることがないからもういいと思うと寂しい気持ちはあるが、ここまでよくやってこれたと悔いはない」と達成感に満ちた表情を見せると、「中学の卒業文集にWBCの世界チャンピオンになりたいと書いたが、目標よりもはるか上にいけたことに満足している」とスッキリとした表情で語った。
自信を持ったのは岩佐亮佑(セレス)戦
記録にも記憶にも残るスーパーチャンピオンにとって神の左とはという質問に「同級生がつけてくれたが、最初は大げさだと思われたと思うが左で倒し続けた。歴代の世界チャンピオンでもトップクラスの引き出しの少なさだが、高校時代から磨き上げてきたワンツーを信頼してきたからこそ結果を出してこれた」と胸を張った。
ベストマッチは2度目のモレノ戦
「試合前はどう変えていくか悩んだがリングの上で結果を出せたことに満足している」と12年間の現役生活を振り返ったゴッドレフトは、ダウン応酬の末に7回TKOで返り討ちにしたアンセルモ・モレノ(パナマ)との再戦をベストバウトに挙げた。
浜田剛史代表と秋山弘志日本ボクシングコミッション理事長
会見に同席した浜田剛史帝拳ジム代表は「大学卒業前にジムに練習に来たが、抜群のパンチ力があると思った。力を出し切れていないと思ったので、磨けばすごいボクサーになると思った。最初に習うワンツーストレートで世界チャンピオンでなれた選手は他にいないのではないか。人間的にもこれほどまでに良い男はいないと思う」と絶賛した。
村田諒太にバトンタッチ!
会見を終えると、山中の高校時代の後輩で同門のWBA世界ミドル級王者の村田諒太(31)がサプライズで登場し花束を渡した。マイクを向けられた村田は「感慨深い思いはあるが、自分が大学1年の時に向ヶ丘遊園の店で食事をしたことが思い出されます。今後ともよろしくお願いします」と話すと、山中は「これから帝拳ジムを引っ張って後輩たちの良い見本になってくれると思う。ミドル級の強豪を相手にできるのも村田しかいない。実力を証明してくれることを楽しみにしている」とエールを送ると記者や関係者から盛大な拍手が沸き起こった。