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[試合後会見]2018.3.1

リングに帰ってきた粟生隆寛

 元2階級制覇王者の粟生隆寛(33=帝拳)が2年10ヵ月ぶりに再起。12年10月に自身の持つWBC世界スーパーフェザー級王座を奪取したガマリエル・ディアス(36=メキシコ)と、1日に両国国技館で開催された「ワールドプレミアムボクシング27 The REAL」のアンダーカードで再戦した。
3回にダウンを先取
 序盤、ディアスに連打で押し込まれ守勢に回ったサウスポーの粟生だが、実戦の感を取り戻すと左ストレートで反撃。3回にはワンツーがキレイに入りダウンを奪った。中盤はKOを意識してラフになったが、積極的な攻撃が功を奏し主導権を握った。最終8回は互いの健闘を称えての抱擁でスタート。粟生は攻めて出ると左ストレートでディアスをグラつかせたが、ディアスも懸命に食い下がりゴング。5年4ヵ月ぶりの再戦は、粟生がダウンポイントを守り、再起に成功すると同時にディアスへのリベンジをはたした。
最後に日本で試合ができて嬉しい
 この試合を最後と決めていたディアスは、「世界チャンピオンになれた日本で引退出来たことに満足しているよ。今回初めて妻のために戦い、判定では負けたが、僕も妻も勝ったと思っている。現役時代は離れていることも多かったが、これからは家族と一緒に暮らしていきたい。ありがとう」とコメント。20年の現役生活に悔いなしといった晴れやかな顔を見せた。
支え続けてくれた人たちに感謝
 一方、リング上で感極まり涙した粟生は、控室に戻り「ケガで休んでいる時期に『決まったら応援に行くから』とたくさんの人に声をかけてもらって、その言葉があったからって続けて来られた」と第一声に感謝の言葉。「それなのに硬くなって申し訳ない。よかったのは3回に奪ったダウンだけだと思う。相手が効いていないこともあったが、その後の追い方もよくなかった」と反省し、今後については「今日のパフォーマンスがブランクの影響なのか、今の実力なのかをしっかり見極めて考えていきたい」と語った。
苦境を乗り越えた粟生の進退は
 左足関節腓骨筋腱脱臼で長期休養を余儀なくされたが、手術とリハビリの日々を乗り越え復活した粟生。現役続行は明言を避ける形となったが、この日のファンの声援は深く胸に届いたはずだ。

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