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7日に後楽園ホールで開催された「アンタッチャブル・ファイト・26」のメインイベントでは正規王者の有川稔男(32=川島)と暫定王者の坂本大輔(36=角海老宝石)による日本ウェルター級王座統一戦が行われた。両応援団の大声援ではじまった試合は、有川がジャブから右を合わせて積極的な攻撃を仕掛けた。
幻のダウンパンチ
リズムを掴んだ有川は右クロスを決めて膝をつかせたがレフェリーはスリップと判断。2回、有川は右フックで腰を沈めると、プレスをかけて攻勢。先手を取られた坂本だが、ラウンド終盤に右フックをヒットしで会場を盛り上げた。スリリングな打ち合いが続いたが、4回に有川はボディに狙いを定めると、ガードが空いたところに右フックを叩き込みダメージを与えた。試合を優勢に進めた有川は5回、右ストレートで坂本の左目上を切り裂いた。出血激しく1回目のドクターチェックで試合続行不能となり有川がTKO勝ちを収めた。
コンスタントに試合をしていきたい
1年ぶりの試合を勝利で飾るとともに2度目の防衛に成功した有川は「どこも怪我がなく試合を終えることができて良かった。初回のダウンをスリップと言われて焦って強引に攻めてしまったが、会長の指示で冷静になれた。相手の距離が遠くてジャブが当たらなかったのが少し悔しい」。「カットさせた右ストレートは芯を捉えたわけではないが、切り裂く感じで相当切れたと思った」と笑顔を見せた。
川島郭志会長
会見に同席した川島郭志会長は「1年間坂本選手のことを研究してきた。これまで負けた相手にKO勝ちで借りを返すことができて(有川は4敗中、引退した選手を除く3人に雪辱を果たした)着実に進化している」と愛弟子の成長に目を細めた。次戦はチャンピオンカーニバルで同級1位の矢田良太(グリーンツダ)と対戦することが決まっているが、勝った上でと前置きしながら「格上になるが世界ランカークラスの相手と戦わせたい」とコメント。WBOアジア・パシフィック同級王者の小原佳太(三迫)の名を挙げた。
どうしても勝ちたかった
負傷した傷の応急処置をして会見に応じた坂本は「足の使い方と当てるタイミングが上手くなっていて、自分の得意な距離に入らせてくれなかった。初回にもらったのはスリップとなったが効いた。最後は止められると思って攻めたが…、悔しいですね」と潔く完敗を認めた。今年でデビューから10年目となる坂本は「悔いはないです。この試合を最後に引退かな」とグローブを吊るす意向を示した。
採点表