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[公開練習]2017.6.26

マジスパーに「鼻が取れるかと思った」

 8月5日(土)に日本バンタム級王座の初防衛戦を控える赤穂亮(30=横浜光)が、憧れの5階級制覇王者に胸を借りた。26日、来日中の前WBO(世界ボクシング機構)スーパーバンタム級王者ノニト・ドネア(34=比/米)が横浜光ジムへ訪れ、赤穂と4ラウンドのスパーリングを敢行した。かねてよりドネアを「自分のアイドル」と公言していた赤穂は、15年3月にフィリピンで同じリングに立ったことをきっかけに親交を深め、今回、プライベートで来日したドネアと練習する機会を得たのだ。
本気モードのドネアに食らいついた
 スパーリングは、“閃光”の異名を誇るドネアがテンポのいいコンビネーションで仕掛け、初回に早くも得意の左フックを効かせると、赤穂もすぐさま応戦し見ごたえのある打ち合が続いた。すると終盤、赤穂の右ストレートが横っ面にクリーンヒットしたところでドネアの目の色が変わり、4回は本気モードの殴り合いに。しかし、最後は赤穂がドネアのアッパーで鼻血を出してしまい、「もう1ラウンドやろう」というドネアに降参。フィリピンでのスパーリング以来、2年半ぶりに手を合わせた赤穂は、「最後のアッパーは日本人じゃ打てない。鼻が取れるかと思った」と、改めてその能力の高さに驚いた。
赤穂は世界レベルだがまだ足りないものがある
 その後はドネアが赤穂に「相手との距離を見て打て」、「打ち終わりにバランスを崩すな。とくに終盤は大振りになる」と身振り手振りでダメ出し。しまいにはミットを持ち厳しく指導にあたった。
ドネアから直接指導を受けた
 赤穂はアイドル的存在のドネアにアドバイスを受け、「こんな機会は滅多にない。ありがたい、幸せです」と終始ニンマリ。3度目の世界挑戦を目指す赤穂にとって、何にも代え難い貴重な時間だった。また、赤穂は以前ドネアから誘いを受けた米国での練習も叶えたいとし、「何なら向こうで売り込みたい」とも話した。
次は内容がもとめられると赤穂
 3月の日本バンタム級王座決定戦で田中裕士(畑中)を判定で下し、東洋太平洋スーパーフライ級に続くタイトルを獲得した赤穂は次戦、指名挑戦者の齊藤裕太(29=花形)を迎えての初防衛戦がスタンバイしている。「ここ数戦、自身の評価は下がっている」と捉える赤穂は、「次は後がないぐらい、内容が問われる試合。KOもしくはフルマークの完勝がもとめられている。相手云々じゃなく自分との勝負」と気合を入れた。
ドネアの高みに一歩で近づきたい
 また、「あと何年できるかは分からないが、一回は世界を獲らないと。日本は次で卒業にしたい。若い選手に任せる」と、勝つことを前提に防衛後は返上を示唆し、今後は「出来れば世界基準のボクシングを経験したい。世界ランク上位のメキシカンかアメリカの選手とやりたい。現地でやってもいい」と海外進出を希望。アメリカで成功を収めたドネアの背中をみつめ、「3度目の挑戦に向かっていくだけ」と闘志を奮い立たせた。

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