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WBC世界バンタム級王者、山中慎介(33=帝拳)が7日、11度目の防衛戦に向け都内のジムで報道陣にトレーニングを公開した。山中は16日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で元WBA王者で現WBC1位の指名挑戦アンセルモ・モレノ(31=パナマ)と拳を交える。1年前、辛うじてモレノに判定勝ちを収めている山中は再戦を前に「相手の隙間を狙っていく」と意気込みを口にした。
ここにきてグッと調子が上がった
赤字でGOD’S LEFTとプリントされた白いTシャツを着た山中は、公開練習に先立って行われた会見で、「左ストレートに対するこだわりはそんなにない」と話し、「ジャブを休めると向こうのペースになるので」と、右ジャブの重要性を強調した。そのうえで左ストレートの精度が上がったという手応えも感じているという。「ダメージを与えるパンチだけでなく、仮に当たらなくても体には当てることができる。今回は隙間を狙っていく。モレノはやりづらさはあるが怖さはまったくない。当たれば効かせられるし、いい意味で強引にいく。モレノは前半にポイントを取って勝ち逃げパターンが多いので、こちらもポイントを意識しながら戦う。中盤が勝負になると思うし、またそれ以降が大事。決着をつける自信はある」とキッパリ言い切った。
今年3月のリボリオ・ソリス(ベネズエラ)戦で2度のダウンを喫した山中をみたモレノが「今度は倒せる」と自信をみせていると聞くと、「前回、9回にいいパンチをもらったが、あのタイミングで倒れないのだから倒れないでしょう」と挑戦者のKO宣言を一蹴した。
スパーリングは合計140ラウンド
すでに12度目の世界戦で最多となる140ラウンドのスパーリングをこなしたという山中は、ジムメートの佐々木洵樹を相手に2ラウンドのスパーリングを披露。1回は右ジャブをインサイド、外側、さらにボディに打ち分けるなど多彩なリードブローで佐々木を煽った。これが試合でも機能すれば相手に隙をつくらせることができるはずだ。2回には、セコンドから「打ち終わりに気をつけろ」というアドバイスが飛ぶなか、「前回よりも感覚がいい」(山中)という得意の左ストレートを連発してパートナーを後退させた。これまで試合のたびに何度も練習相手を務めてきた佐々木は「(山中の)右ジャブは上下に打ち分けてくるので分かりにくいうえ、突き刺すような感じで強い。以前はインサイドからだけだったが、きょうはフックもあって防ぎきれなかった。左は相変わらず強く、14オンスのグローブでも効く」と感想を口にした。
後輩相手にスパーリングを披露
9対4で山中有利のオッズが続くなか、挑戦者のモレノは10日に来日する。11度目の防衛を狙う山中と、かつて12度の防衛を記録したモレノ。サウスポー同士のリマッチが9日に迫ってきた。
足が軽くなってきた!