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ボクシングの夏、沖縄の陣!東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチが21日、沖縄県立武道館アリーナ棟で開催された。赤コーナーを陣取ったのはフィリピンから来日した王者レネ・ダッケル(24)陣営。青コーナーからは、タイトル再挑戦のチャンスを4年間待ち続けていた、36歳の翁長吾央(大橋)がリングに上がった。
沖縄県立武道館
序盤は翁長のパンチを警戒したダッケルの動きは硬く、左ストレートを上下に打ち分ける挑戦者がペースをつかむ。するとチャンピオンは右を大きく振って試合の主導権を引き戻しにかかった。4ラウンド終了時点ではジャッジの評価は三者三様。2ラウンドにバッティングでカットもあったが36歳の翁長は落ち着いて試合を進めた。試合が動いたのは8ラウンド。翁長の左ボディを嫌うチャンピオンに対して、中に入った瞬間だった。ダッケルの振り抜いた渾身の左が翁長の顔面をとらえた。試合後の翁長に「今までで一番効いた」と言わしめたチャンピオンの左。立ち上がって最終回まで勝利への執念を見せた翁長だったが、ベルトを掴み損ねた。ダウンを喫するまでは僅差ながらもポイントを取っていただけに悔やまれる一敗である。
悔やまれる一敗
開口一番「すみません、まさかここでつまづくとは思ってもみませんでした、悔しい」と後悔の表情で語った翁長。「序盤は少しやり辛いなと感じたが3Rあたりから相手のタイミングと噛み合い始め、左ストレートは警戒されてると思ってたので左ボディを効果的に使い、相手は効いてだと思う。(ダッケルは)右はパンチがあるなと思ったが、8Rに左ボディで効かせて、いけると思い打ったワンツーの左がちょっと浮き、そこに左を貰って….あんなに効いたのは人生で初めてだった」と試合を振り返った。
翁長吾央(大橋)
8Rのダウンがなければ公開採点でも勝っていたと思われる点には「やはりボクシングは一発で流れが変わる。これだけお膳立てして貰って獲れなかった自分が情けない。でも、結果が全てなので…」と言葉に詰まった。
今後に関しては「今は少し休みたい」と明言を避けた。
今後に関しては「今は少し休みたい」と明言を避けた。
防衛成功
王座防衛に成功したレネ・ダッケル(比)は「接戦になることは予想していたが、激しいトレーニングをして臨んだので、絶対勝てると思っていた。やってきたことを100%出せたと思う」と声を弾ませた。8ラウンド終了間際にカウンターの左フックで挑戦者をマットに這わせ、主導権を握った。「ダウンを取ってからは自分のペースで試合ができた。前半よりパンチに強さがなかったので勝てると思った」と勝利を呼び込んだ会心の一撃を振り返った。
「沖縄は気候がフィリピンに似ているので戦いやすかった」と敵地での試合を振り返る24歳の王者。「サポートしてくれたみんなに感謝している。来年にはIBFの世界タイトルに挑戦してベルトを巻きたい」と今後の意気込みを語った。
「沖縄は気候がフィリピンに似ているので戦いやすかった」と敵地での試合を振り返る24歳の王者。「サポートしてくれたみんなに感謝している。来年にはIBFの世界タイトルに挑戦してベルトを巻きたい」と今後の意気込みを語った。
八重樫東
「翁長さんは今回の試合、しっかり心を持っていた戦い方をしていた。今までの翁長さんであれば、あの8Rの流れから消極的になって潰れていくパターンだったけど、今日は違っていました。あのダウンはやはりかなり効いてましたね。背水の陣で臨んだ一戦だと思うが、僕も背水の陣で何度も負けた事あるし、気持ちさえ切れなければ戦えると思います」と試合の解説をした世界三階級制覇王者で翁長吾央(大橋)と同門の八重樫東は振り返った。それでも「今日の試合観ても今まで以上のパフォーマンスを見せていたし、衰えとかそう言う問題では無いのかなと。もし立ち上がるならば、また一緒に頑張っていきたいと思います」とジムメイトの再起に期待を寄せた。