試合日程 | 試合結果 | 動画ニュース | ランキング | 選手検索 |
11月28日に宮城県のゼビオアリーナ仙台でWBC世界Sフライ級王者カルロス・クアドラス(27=メキシコ)に挑む同級2位で元WBA世界フライ級暫定王者の江藤光喜(27=白井・具志堅)が20日、所属ジムで練習を公開した。江藤が勝てば、元WBA世界Sライト級王者で現平仲ボクシングスクール会長の平仲明信氏以来、23年ぶりの沖縄県出身世界正規王者誕生となる。
ボケ連発で笑いを誘った
練習前の会見で江藤は、階級を上げての挑戦にこれまで悩まされた減量もスムーズに進んでいると笑顔で話し、「リングに上がるまでにベストに持っていく」と万全のコンディションを強調した。試合が近づくにつれ緊張が増してきたようだが、「ベストはKO!俺の手が上がることは間違いない」と自信を示し、クアドラスがKOを約束したことについても「彼の希望なので構わない。何を言っても(結果は)変わらない」と強気な言葉を発し続けた。
新兵器を装着
江藤を指導する野木丈司トレーナーは、「クアドラスは攻撃力があるので、打ち終わりを狙われないように対策してきた。本人の意識も高まり今は安心できるレベル」と話し、元WBC世界Lフライ級世界王者でジムをサポートする沖縄出身の友利正氏も「階級を上げて調子が良い。右が当たれば立てないんじゃないかな」とKO勝ちを予想した。また、ジム設立20周年を向かえ具志堅用高会長は、「こんなチャンスはそうない。今年は東日本新人王とWBCユース王者が生まれジムに勢いがある。江藤で締めたい」と期待した。
前川との1Rスパーリング
日本で初の世界戦行事、その報道陣の多さに戸惑っていた江藤は、記者からの質問にも「意味が分からない」と天然ボケを連発。それでも「世界戦は国と国の戦い。日本を背負って戦う。あきらめない気持ち、恐れず勇気を持ってチャンスを掴みにいく」と想いを込め、来春に第一子が誕生することも明かした。
メガネをつけてミット打ちも行う
練習に移り江藤は、今回から取り入れたという新兵器の「動体視力トレーニングメガネ」を装着。これはレンズ部分に搭載された液晶の点滅システムにより、ストロボ効果やスローモーション効果が生まれ、眼に負荷をかけることにより動体視力が鍛えられるもの。現在は野球やサッカーなど多くのアスリートがこれを使ってのトレーニングを採用し、江藤も集中力と動体視力のアップを実感していた。
沖縄出身世界王者の仲間入りとなるか!?
練習は軽く流した程度で終えたが、同門の前川龍斗(19)とのスパーリングでは長短のパンチを打ち分け、何度も前川を追い込んでいた。江藤は夏から秋の合宿で下半身と体幹の強化に努め、階級アップもプラスし、今やバンタム級を超えるパンチ力を身につけたとトレーナー陣は自信を深める。一番の敵であった過酷な減量から開放され、江藤自身も経験したことのない万全の状態でリングに上がれそうだ。