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10月から盛り上がりを見せた女子ボクシング世界戦のラストを飾る、IBF女子世界ライトフライ級タイトルマッチ、王者・柴田直子(34=ワールドスポーツ)VS同級7位マリア・サリナス(26=メキシコ)が13日、後楽園ホールで行われた。前回の防衛戦(VS花形冴美)で苦戦を強いられた柴田が、最強といわれる挑戦者相手に存在感をアピールすることは出来たのか?
採点表
試合は、スタートからサリナスが大振りながらも回転力のある連打で柴田に襲い掛かり、左ストレートで後退させた。ペースを握られた柴田が反撃を開始したのは4回から。手数が減ったサリナスに細かいパンチが当てはじめポイントを挽回した。しかし、サリナスは7回から再び息を吹き返しタイトル奪取に執念を燃やした。激しいペース争いが繰り広げられたが、8回、柴田はボディブローでサリナスのマウスピースを吐き出させチャンスがきたが追い打ちをかけられず。終盤は両者とも懸命に勝利に向かって手数を出し続けた。採点は三者三様のドロー。柴田が前半の失点を取り戻してタイトルを死守した。
私が勝っていたとサリナス
勝利を確信し柴田より先に肩車して勝利をアピールしたサリナスだったが、ベルト獲得ならず。「柴田が取ったのは3Rだけで私の勝ち。ジャッジにめちゃくちゃにされて試合を盗まれた」と涙ながらに採点に不満を漏らした。さらに「IBFに試合のビデオを見せて正式に抗議する」と再戦を訴えた。「スタミナも問題なかった。柴田の顔を見ればどちらが勝ったか分かるはず。日本で試合をするのは難しいがいつでも戻ってくる。次は勝つ」と最後まで強気な姿勢は崩すことはなかった。
齊田竜也会長
試合後、バッティングで負った傷の治療のため、柴田の代わりに試合を振り返った齊田竜也ワールドスポーツジム会長は「相手のスピードは想定外だった。これまで一番強い相手だった」と相手の強さを認めたが、「4回から作戦を変えたのが良かった。本人も途中からパンチが見えていたし、正直負けはないと思った」と語った。次戦について「怪我の影響もあるので6〜7月になると思う」とし、「次は指名戦になると思う。(サリナスと)再戦したら今度はもっと差が付く」とした。
包帯姿で…
遅れて会見に臨んだ柴田は「なんとか繋がって良かった」と薄水の防衛に安堵の表情。「後半にボディが当たって相手のマウスピースが飛んだのがわかったが、仕留められなかった。3Rにもらったパンチは効いてしまった」と反省を口にした。「サウスポーは苦手ですね。次の指名戦もサウスポーなのでそれまでにしっかり対策を立てたい」と対戦が濃厚なOPBF王者の竹中佳(28=高砂)との一戦に向けて前を見据えた。