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タイトル戦線再浮上を懸けた注目のサバイバルマッチ、前日本同級王者で日本同級2位・金子大樹(27=横浜光)対元OPBF東洋太平洋同級王者で日本同級10位・仲村正男(27=渥美)のSフェザー級10回戦が21日の後楽園ホールで行われた。
金子も必死
金子は今年1月にOPBF王者のジョムトーン・チュワッタナ(タイ)に挑戦するも、試合巧者のサウスポー王者を崩せず判定負け。今回が7ヶ月ぶりの再起戦となったが、気負いからなのか序盤は体の硬さが感じられ、中盤もスピードと手数で上回る仲村に対し、直線的に距離を詰めては右と返しの左フックを狙うといった単調な攻めが目立った。
仲村、初の判定勝ち
一方、昨年は後にOPBF王者となる伊藤雅雪(伴流)、レイ・ラバオ(比)に連敗を喫した仲村。捲土重来を期す想いは金子より強く、速いジャブで立ち上がりのリズムを掴むと、時に金子の強打と打ち合い、顔を跳ね上げ、体を揺すられるも、全般を通じて距離を保ちポイントをリードした。
この顔がすべて
金子も最後まで気持ちを切らさず、攻めの姿勢を崩さなかったが、あと一歩の追い上げを仲村が許さず、96-95,93-97,94-96の判定1-2負け。タイトル戦線から大きく後退した。控え室に戻った金子は、悔しさを見せずに淡々と質問に答えた。
「コンディションは悪くはなかった」と口を開くと、このあとは反省の言葉が続いた。「序盤は力が入りすぎ、思ったように動けずリズムに乗れなかった。ポイントを取られているのは分かっていたが、体が反応できず、パンチも狙いすぎてしまった」。これを総括して「復活に懸ける思いが強すぎた」と話した金子は、「今の僕の力はこんなものです」と気丈に振る舞い、今後についてはジム内で話し合って決めるとした。
「コンディションは悪くはなかった」と口を開くと、このあとは反省の言葉が続いた。「序盤は力が入りすぎ、思ったように動けずリズムに乗れなかった。ポイントを取られているのは分かっていたが、体が反応できず、パンチも狙いすぎてしまった」。これを総括して「復活に懸ける思いが強すぎた」と話した金子は、「今の僕の力はこんなものです」と気丈に振る舞い、今後についてはジム内で話し合って決めるとした。
これがリアル仲村正男だ
方や、応援団とともに勝利を喜ぶ仲村。会見では、まず勝因について「これまでの力に頼るボクシングじゃ金子選手に通用しないと判断し、約1ヶ月間のアメリカ合宿を含め、自分のスタイルを見直した。今日はジャブと距離の意識を徹底し、予想以上にパンチも当たった。ここぞという時は思い切って詰めたし、7割は課題がクリアできたと思う」と話し安堵の顔を浮かべた。
だが昨年の連敗に話がおよぶと、「最悪の一年だった。何度も辞めようと思ったが、あきらめないで良かった」と感極まり涙。沢山の応援が何よりも力になったと感謝した。
だが昨年の連敗に話がおよぶと、「最悪の一年だった。何度も辞めようと思ったが、あきらめないで良かった」と感極まり涙。沢山の応援が何よりも力になったと感謝した。
口惜しさを乗り越えた男の涙
日本2位の金子を破ったことにより、タイトル挑戦に大きく前進した仲村は、「チャンピオン(現日本同級王者・内藤律樹/E&Jカシアス)が選んでくれると嬉しい。決まればしっかりと準備をしたい」と闘志を燃やした。
その王者・内藤は、会場でこの対決を人知れず観戦。「仲村選手の判定勝ち、僕の予想通りでしたね。挑戦者にですか?強いけど逃げ足がいまひとつですね。でも選択選手の一人ではあります」とコメントを残した。
その王者・内藤は、会場でこの対決を人知れず観戦。「仲村選手の判定勝ち、僕の予想通りでしたね。挑戦者にですか?強いけど逃げ足がいまひとつですね。でも選択選手の一人ではあります」とコメントを残した。