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[試合後会見]2015.7.27

近藤が世界ランカーを撃破!

 昨年7月に一力ジムで再起し、この1年間で5戦と早いペースで試合を消化する元日本ライト級王者で東洋太平洋同級10位の近藤明広(30)が、27日に後楽園ホールで行われた「Fighting Bee13」のメインでタイ人の世界ランカーに挑戦した。
多彩なボディを繰り出すパトムサク
 近藤が挑んだIBF世界Sライト級10位パトムサク・パトムパトン(32/30勝19KO3敗1分)は、WBCとIBFのアジア地域タイトルを保持する実力者。3つの黒星はキャリア序盤を除けば13年10月の前日本Sウェルター級王者・細川貴之(六島)戦、そして今月18日にIBF世界同級王座決定戦に出場した今年3月のイク・ヤン(中国)戦と、いずれも敵地で戦った時のものだ。世界ランクに名を連ねるだけあり、立ち上がりから丁寧に上体を振っては左右の強打で近藤との距離を詰めた。
血まみれに
 しかし、この日の近藤の右は抜群に切れていた。初回終盤に連続で右を打ち込みパトムサクを揺らすと、一気に攻め込みロープに釘づけた。ここはゴングに救われたパトムサクだが、ヒッティングで左目の上と下をカット。続く2回も右のクロス、アッパーが的確に入り、早くも近藤の独断場となった。パトムサクも捨て身のファイトで世界ランカーの意地を見せたが、最後はめった打ちにされレフェリーストップ。近藤が会心のTKO勝ちでIBF世界ランク入りを確実にした。
パトムサク
 試合後、「世界ランクを失うのは残念。カットがなければもう少し良いファイトを見せられた」と悔しがったパトムサクだが、近藤を素晴らしい選手と称え、「また頑張りたい」と出直しを誓った。
佐々木基樹トレーナーと
 一方、勝利に沸く近藤陣営には、再起を助け、今回のためにセコンドライセンスを取得した元日本&OPBF東洋太平洋Sライト級王者の佐々木基樹トレーナーの姿があった。「とにかく勝ちたかった」と安堵の表情を見せる近藤に対し、佐々木トレーナーは「近藤は本番型」と勝利を確信していたようだ。
復活に笑顔も
 近藤は続けて「世界ランカーとの対戦はタイトルマッチよりモチベーションが上がった。これで負けたらもう試合を組んでくれないだろうという気持ちで臨んだ」と小林会長に感謝した。また、Sライト級での世界ランク入りを手にしたが、主戦場はやはりライト級。Sライト級はストレスなくギリギリまで追い込めるが、東洋大学ボクシング部の後輩でOPBF・Sライト級王者の小原佳太(三迫)とのスパーリングでも体格差を感じると洩らした。
 次戦は10月か11月の「Fighting Bee」興行を予定しているという近藤は、最後に「強い日本人選手とやりたい。僕のことを手ごろだと思ってくれれば」とコメント。このあたりにどん底からの復活を遂げた近藤の本気度がうかがえる。

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