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これまで3度のタイトル挑戦を経験した日本Sフライ級6位の白石豊土(29=協栄)に、日本ランク入りしたばかりの同級13位・中川健太(29=エルコンドル)が26日の後楽園ホールで挑んだ。サウスポー中川は、必殺の左カウンターを武器に2勝2敗の戦績から一気に花開き、現在7連続KO中と連勝街道を進む。35戦のベテラン白石を迎えての初のランカー対決は、その真価が問われる注目の一戦だったが無念の幕切れに終わってしまった。
キャンバスに血痕
開始から右を固めて左でプレスをかける白石に対し、中川は左のカウンター狙うと1回終了直前にこれを直撃させ白石の膝をガクッと落とした。エンジンの掛かりが悪い白石だったが、それでもジワジワと距離を詰めては左フック、さらに中川の左に右のカウンターを狙った。しかし3回終盤、白石がコーナーに詰めたところで、中川も思い切って踏み込むと両者の頭が激突。白石の右目上から大量の血が滴り落ち、無念のストップ。負傷ドローに終わった。
口惜しい中川
試合を優勢に進めていただけに負傷ドローの結果に落胆の色は隠せなかった中川。控室に戻るなり、応援してくれている人に申し訳ないと涙を見せた。「試合前に相手の頭には気を付けるよう言われていたが、練習通りにできなかった。タイミングが掴めていただけに残念です…」と唇を噛んだ。
ノーサイド
一方、怪我を負った白石はすぐさま傷口を縫い、大きな絆創膏を貼って控え室に戻った。「いつものように序盤は様子を見て中盤から仕掛けていく作戦だったが、噛み合いに欠けてしまった」と肩を落とすと中川が謝罪に訪れた。「偶然のバッティングだけにどちらが悪いということはない」と白石は中川を労い、機会があればと再戦を約束した。