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元WBC世界フライ級王者の五十嵐俊幸(31=帝拳)が世界2階級制覇を目指し、7日の後楽園ホールで再起3戦目のリングに立った。迎え撃つは前メキシコ・スーパーフライ級王者のエフライン・ペレス(26)。左構えの五十嵐は序盤、ぐいぐいと圧力をかけてくるペレスをボディワークとガードで捌いては間髪入れずに左ストレートを上下に打ち込んだが、ペレスも強引に左右の強打で反撃し、これに応じた五十嵐との距離を縮めた。
負傷判定へ
中盤に入り、五十嵐は体重を乗せた左ストレートを突き刺すが、なおも前進を止めないペレスの右を被弾するシーンも増えてきた。しかし、これは致命打には至らず、距離を取ってはジャブ、ストレートを浴びせ試合を優位に進めた。6回にペレスのパンチで右目上を切った五十嵐だが、この傷は浅い。しかし、9回に今度はバッティングを同じ箇所に受け悪化。傷口からの出血が目に入るまで広がり、10回に入り負傷判定となった。
一歩ずつ
ジャッジは1者が96-95、2者が98-94とし、五十嵐が判定勝ちを収めた。リング上のインタビューで五十嵐は、「グラつかせはしたが、そこから倒せないことが課題」と笑顔はなし。それでも2階級制覇に向け「チャンスがきたら頑張っていきたい。自分の目指すボクシングは少しづつだが前進している」と意気込んだ。
親日家の一面も
敗れたペレスは「負けた気はしない。ドローだと思った。でも五十嵐はいい選手だね。パンチ力はそんなにあるとは思わないが、パンチのスピードが速かった。また、日本で試合が出来たらいいね。スーパーフライ級だけじゃなくフライ級でもやれるよ」とコメントを残した。
反省しきり
控え室に戻った五十嵐は、傷口を気にしつつ会見に応じた。「足を使っていいのなら安全に進められる。でもそれじゃ前と同じ。攻めるボクシングを課題としている以上、ひとつ効かせても二つ、三つに繋げられるようにならないと、ああいったタフな選手は倒せない。今日の試合はまだまだです」と現状に不満。また、攻めのリスクについても「相手が調子づくとこっちも打ち合っちゃいますね。気性の問題かな」と課題を残した。
井上尚弥
WBAは河野公平(ワタナベ)、WBOは井上尚弥(大橋)と今や二人の日本人選手が世界王座に君臨するスーパーフライ級。この中にあっては、より確かな存在感がもとめられるが、課題を乗り超えたとき、五十嵐が新たな輝きを放つ!