37人の王者が集結

　年に一度のファン感謝イベント「ボクシングの日」が19日、後楽園ホールで行われた。今年も世界チャンピオン会から37名もの元現世界王者が集結し、ボクシングファンとの交流を楽しんだ。
　今年は「袴田巌支援プロジェクト"Free Hakamada Now!"」とサブタイトルがつけられ、無実を叫びながら47年間も獄中にいる元プロボクサーの死刑囚、袴田巌さんを支援する催しも行われた。

　人気の現役世界王者たちによるトークショーには、内山高志(ワタナベ)、八重樫東(大橋)、山中慎介(帝拳)、三浦隆司(帝拳)の四王者が参加。ここではボクモバ編集長の原功が司会を務め、八重樫に井岡一翔(井岡)へのリベンジを煽れば、スーパーフェザー級の内山と三浦には統一戦に話を向けた。二人は「防衛を重ねていけば、再び拳を交える時もくるだろう」と再戦を約束し、固く握手を交わした。

　今回、新たに企画された「NEXT STAGEスペシャル」では、男女の注目選手、「現役モデル」高野人母美(山上)と「怪物」井上尚弥(大橋)が登場。高野は前々日に行われた海外でのミスコンに入賞したとドレス姿で報告し、今後もモデルとボクサーの両立をしたいと抱負を語った。
　プロ4戦目での日本王座獲得に意欲的な井上には司会・原の計らいで、井上が挑戦する日本王者・田口良一(ワタナベ)が登壇。急遽顔を合わせた両者は、今度の対決を互いにチャンスと語り、世界へのステップにしたいと意気込んだ。

　リング上では熱き戦いも繰り広げられた。キッズボクシングではU-15連覇の松本圭祐(中学生=神奈川)ら8歳から15歳までの6選手が、キッズとは思えないテクニックを披露し会場を驚かせれば、現役女子世界王者の藤岡菜穂子(竹原&畑山)と宮尾綾香(大橋)がスパーリングで競演し、イベントに花を添えた。

　このほか、恒例のチャリティーオークションがトカちゃんこと渡嘉敷勝男会長の軽妙なトークで開かれ、世界王者のグッズが次々と落札されていった。この日一番の落札は、世界チャンピオン34名のサインが入ったグローブで最後には10万円の値がついた。落札総額は438,000円だった。

　今年で4回目を迎えた「5/19ボクシングの日」。来場者は前年度の1,200人から1,500人(東日本協会発表)と大きく数を伸ばし、ボクシングファンにはすっかり定着した感がある。
　今年はWBO、IBFへの加盟、また過去最多の現役世界王者数(5/3=男子9名、女子5名)、さらには井上尚弥(大橋)、村田諒太(三迫)といった知名度抜群のスター候補も誕生。日本プロボクシング界は近年にない盛り上がりをみせ、今後もますます熱くなりそうだ。