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[試合後会見]2014.10.22

粟生の世界前哨戦は…

 22日、東京・代々木第2体育館で開催された「ワールドプレミアムボクシング THE REAL」WBC世界バンタム級タイトルマッチのセミファイナルでは、2階級制覇王者の粟生隆寛(30=帝拳)が元WBA・IBF世界スーパーフェザー級王者、ファン・カルロス・サルガド(29=メキシコ)と世界前哨戦と銘打たれた137P契約10回戦を戦った。
粟生、判定で圧勝
 サルガドはかつて、粟生の同門ホルヘ・リナレスからWBA世界スーパーフェザー級王座を奪った強豪とあって、調子付いた時の左右フック、ストレート系パンチには、流石の粟生も苦戦。しかし、打たれたらきっちりと打ち返し、サルガドに決してペースを握らさず。3R以降は度々左ストレートを打ち抜き、サルガドの勢いを殺した。サルガドも中盤から終盤にかけて息を吹き替えしたが、粟生の左ストレートもサルガドを捉え続け、最終10Rの終了間際には左ストレートからの連打でダウン寸前まで追い込んだ。倒すことはできなかった粟生だが、最大6ポイント差をつけ判定勝ち。リング上のインタビューでは「倒そうと力み過ぎた。自分に今、ベルトがないのが当たり前の内容だった」と反省しきりだった。
粟生は勝利にも反省も
 控室に戻った粟生は「左と思っていたのが、3Rに右フックをもらい、警戒する方に意識がいってしまった。思いの外パンチもあって、半歩が詰められなかった。距離を取るのが上手く、いつも入れる距離が少し遠く感じた。あと10秒あれば、という世界ではないので、決める時に決められないといけない。世界戦に向けて、アピールできる試合をして待つだけ。そうチャンスがあるものではないので、いつでもやりたいです」と、三階級制覇に意欲をみせた。
サルガド敗戦にも達成感
 控室に戻ったサルガドは「かなり競っていたけど自分では勝ったと思ったよ。久々の試合だったけど調子もよかった。ボディは効いていないし、顔には終盤、いいパンチをもらったけど倒されるとは思わなかった。負けたことは悔しいけど、気分はそんなに悪くないよ」と、試合を振り返った。
内山高志の防衛戦は大晦日
 リングサイドで試合を観戦したWBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志(ワタナベ)は「(粟生が)初めから積極的にいってれば倒せれたと思いましたけどね。サルガドは自分が試合をしたときと変わってなかったですね」と試合の感想を語った。
 内山が現在防衛を続けている王座はサルガドから奪ったもの。9度目の防衛戦は大晦日、お見逃しなく。
ホルヘ・リナレス
 サルガドには苦い経験を持つ二階級制覇王者のホルヘ・リナレス(帝拳)は「昔のサルガドはパンチが重く速かったが、今日は少し遅く感じた。対して粟生はガードも固く、バランスが良かった。ラストはもうちょっと時間があれば倒せたはず。だけど良い試合だったよ」と笑顔で試合を語った。

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